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2009年 04月 14日
ジォバニ・イダルゴ その(1)
先々週土曜日、ジォバニ・イダルゴを聴きました。ディーバ・ノリコさんのライブに丁度来日中だったジョバニが飛び入り。ほんと素晴らしかったです。

終わって楽屋で話しました。すごく久しぶりなので覚えてないだろうなあ、と思って昔一緒に撮った写真をもっていったら

ジォバ「あーー!、パンデレータもってきて一緒にプレーナやっただろう?!」

って、思い出してくれました。


◆◆◆

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ジォバニ・イダルゴに初めて会ったのは10年以上前、プエルトリコでのティト・プエンテの50周年コンサートでの事。プエンテとジォバニが共演し、ティンバレスとコンガの一騎打ちに観客は大喜び。そして終演後、RMMの友人とプエンテの楽屋にもぐりこみ、ジォバニと話した。

彼のステージは、それまで何度か見ていて、いつもその流麗なテクニック、多彩な音色、そして素晴らしいダイナミクスがちりばめられたソロに圧倒されていた。でも実際会って話してみると、キャラは流麗というより、すごい気さくでシンプルなプエルトリカン。そしてそのキャラのダイナミクスは演奏と同じだった。

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その次に会ったのはそれから3か月くらい経ってから。会社で彼のライブをサポートすることにしたから。(というか自分で仕組んだんだけど)。ピアノのミシェル・カミーロとのデュオ。それにサックスのダビド・サンチェスがゲスト。そんな訳で、ジョバニが会社に打ち合わせに来てくれた。


ガシっとハグ。ちょうど出たばかりだった新譜Hands of Rhythmの曲の話。
あの超高速ソロと重たく粘るビートの両方を叩き出す手はいったいどうなっているのか?見せてもらうと:

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じゃん。これが彼の手。意外に小さく、指も短いかわいい手。しかし、その手のひらと指は、コンガを叩く為に進化したんじゃないかと思うくらい分厚く、太かった。

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そしてジォバニとはボンバやプレーナの話をして盛り上がる。


すると後ろの方からパンデレータの音が。
空耳か?と振り向くとそこには同僚が楽器を叩きながら。

モフォ「あ、あんた、なぜそんなもんを・・」
同僚1「い、いや、偶然ロッカーの中に・・・」

早速楽器にサインをもらってにこにこの同僚。


すると後ろの方からギロの音が。
空耳か?と振り向くとそこにはまた同僚が。

モフォ「あ、あんた、なぜそんなもんを・・・」
同僚2「い、いや、偶然机の中に・・・」

早速楽器にサインをもらってにこにこの同僚。

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しかし、これじゃエル・グランコンボの"Con Guiro y Pandereta"ではないか。

♪~Con guiro y pandereta vamos a empezar ~♪

エル・グラン・コンボの中期の名作"Numero 5"よりクリスマスと新年の楽しさをアンディー・モンタニェスがボンバの香り高く歌う"Con Guiro y Pandereta"を聴く


すると右の方からカンパナの音
空耳か?と振り向くとそこには同僚がかばんからカンパナを取り出している。

モフォ「あ、あんた、なんでそんなもんを・・・」
同僚3「い、いや、誰かが入れたみたいで・・・」

そんなもの偶然にあるわきゃないでしょ。
こうなったらパランダ(大騒ぎ)です。みんな会社の裏に集合。

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ジョバニと大プレーナ大会です。会社中のプレーナ好きが集まってくる、ってほとんど全員じゃねえか・・。

ジョバニはパンデレータの中で一番小さいキントでバシバシ即興のアクセントを入れてくる。ひえー、あの小さなパンデレータから10種類くらいの音色とすごいバリエーションのリズムが。

定番のテンポラルとかコルタロン・ア・エレーナとかやる途中で若いのに即興で歌詞を作って歌うやつがいるんですよ。
こういうのが、プエルトリコからソネオのできる歌手が輩出するベースになってるよなあ。
だって、ちゃんとデシマで韻を踏んでるし、すごいよ。

まわりも即興のワン・フレーズの合間に合いの手の合唱を入れる。コール&レスポンスだ。

(歌手)「♪~Oye mi plena, musica buena~, porque la gente baila, pa'que Giovanni por aqui pa' gozar~♪」(おれのプレーナを聴いてくれいい音楽だ、みんなが踊るよ、だってジォバニが遊びに来てくれてるんだよ)

(合唱)「♪~Giovanni viene aqui, toca la plena pa' mi gente~♪」(ジォバニがここにきてプレーナを演ってくれるよ)


→こういう感じに近いです(YouTubeのプレーナの映像)

あっという間に2時間ほど過ぎ5時の終業のチャイムが。

すると、皆プレーナをがっと盛り上げてストっと曲を終わらせ、ハグして笑って帰宅しました。



お、おい、みんな、今日の仕事はいったい・・・・



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翌々日はコンサート。共演はミシェル・カミーロ(p)とダビド・サンチェス(ts)。どちらも大好きなプレーヤー。

とにかく強力。高速回転な曲もびっちり細かなニュアンスをつけて、軽々走りきるし、バラードの美しさはため息が出るし。。。

終わって楽屋へ。プエルトリコのジャズ系ミュージシャンとかバタクンベレやデスカルガ・ボリクアのメンバーとかで宴会が始まっている。




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久しぶりにあうペドロ・グスマンにクアトロの名人の話(マソ・リベラとかモデスト・ニエベスとか)の話をしたり、豪快なジェリー・メディーナとバカ話したり写真撮ったり。

お、あれは、ジョバニに親父、知る人ぞ知るトゥンバドール、マニェンゲ・イダルゴ。リッチー・レイのオルケスタのでの活躍で知られているけど、この人のルンバはすごい。
この話はまた別の機会に。

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こんな思い出が頭によぎっていると、東京・築地のキューバン・カフェのステージはいよいよ始まった。

(Part 2へ続く)

by mofongo | 2009-04-14 01:37 | Musica


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