2009年 04月 14日
ジォバニ・イダルゴ その(2)
(Part 1より続く)

東京・築地のキューバン・カフェは立ち見が出るほどの盛況。メンバー(敬称略)はディーバ・ノリコ(vo)、赤木りえ(fl)、平田フミト(p) 渋谷和利(b) 大儀見元(perc)、藤井摂(ds)

1曲目はアップテンポなナンバー、2曲目は"To be with you"だったっけ。客席にはジォバニが遊びに来て、ビールを飲みつつ楽しんでいる。

そして3曲目 Obsesion。プエルトリコのゲストに敬意を込めて、と言うような意味の紹介で、プエルトリコの誇る作曲家の一人ペドロ・フローレスの名曲。ここで、ジォバニがステージに引っ張り上げられた。

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いやー、強力!とにかくステージに惹きつけられてしまう。あとは曲名はよく覚えていない。休憩を挟んだ第二部はもっと強力だった。

ハチロクのルンバでスタートしてフォービートと交錯したあとチャチャチャへと展開する、ジャスのスタンダード、サテン・ドール(Satin Doll)。おなじみのマンボ・インもあった。



ジョバニを聴く楽しみは、演奏の展開。プレーヤーがリズムの波の中で縦横無尽に遊ぶ時、その個性がはっきり出るから。

普通の奏者が大波・小波・高波を変幻自在に打ち寄せてくるのだとしたら、ジョバニはその波の変化のダイナミクスや速度がめちゃくちゃ速く、かつ波頭が太きい。

そしてそれが七色に変化するのだ。

陽の光で大きく輝き、虹色のプリズムだったと思うと、急に曇って激しいスコールへと色彩が変わる。そしてそんな変化が満ち潮だったとおもうと引き潮になるような大きなうねりの中で起こるのだ。一瞬として、その場に留まらない湧き水のようにリズムの色彩とダイナミクスが溢れる。

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今回、ルンバのパターンを耳と体で追っかけていた時、自分の頭の中にいきなりプエルトリコの旧市街の高台から見る海、夏の11時頃の海の色と波頭が広がった。そしてその暑く湿った空気が顔にぶつかって来て。直ぐに強風に変わり波頭が白いしぶきを上げだした。

そんな情景に一瞬ワープした画面は直ぐに目の前の彼の手の動きに戻り、また彼のソロに引き込まれた。でも多分ほんの1-2秒の間、あんな風景がよぎったのには驚いた。

あれは、旧市街のLa Perlaの昼間のルンボン(道端のデスカルガ)の風景が頭に蘇ったのかもしれないし、サン・セバスチャン通りの熱狂の祭りの匂いとカラフルな建物の色彩の記憶が誘発されたのかもしれない。

ステージでは大儀見さん、飛び入りで美座さん、チャーリーさんがティンバレスを叩いたが、この夜はジォバニが突出してすごかった。
赤木さんのソロはとても太くてこれもよかった。平田さんも。Sayakaさんも素晴らしかったが、もっど爆発してもらいたかった。すこし奥ゆかしかった感じ。

◆◆◆

怒涛のステージが終わって、酸素不足に。音を追っかけてかなり脳が充血したような。

某SNSでの友人たちと終演後の空気をシェアしていたけど、その中で、とても感性に共感している友人の一人が今回のセッションは、偶然の「セッション」にもかかわらず、すごい「一体感」を感じたと言っていた。同感。

それは、音がきちんと会話してレスペクトして、かつ強力なリーダーシップのようなエネルギーがあった気がします。パーマネントなメンバーのロック・バンドみたい。

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楽屋でサインをもらいながら、彼にそんなことを話したら、何も答えずがしっとハグだったけど、またこの人に会っているのだなとしみじみ思った。

よい夜でした。






PS:蛇足だけど幕間&終了直後の音楽はちょっと残念でした。ステージからもらった興奮をうまく持続させてくれるような選曲が欲しかったです。
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by mofongo | 2009-04-14 01:59 | Musica


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