2009年 09月 05日
赤木りえ with Willian Cepeda @Blues Alley 090831
赤木りえさん新譜『フルーツ・ジャム』の発売を記念してのコンサート・ツアー。
最後は東京に戻ってきて、目黒のブルース・アレーで。

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あいにく台風が夕方南関東をかすめるというタイミング、さーてどうしたもんかと思ったけど、ま、なんとかなるさと言ってみると席は満員。なーんだ、みんな台風なんか無視で赤木さんを聴きに来てるんだ。これなら安心。


当日のメンバーは赤木りえ(fl)、吉弘知鶴子(pf)、藤井摂(ds) 田中倫明(congas)イスラエル・セデーニョ・ジュニア(b)。アルバム・タイトルのフルーツ・ジャムは「果物のジャム/Fruits jam」ではなくて「フルートのジャム(セッション)/Flutes jam」。
ということでライブ盤です。さすがオヤジ系ダジャレを愛する赤木さんだけはあります。  

さて、席はど真ん中一番前というナマ音がびんびん来る好位置。



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さて、一曲目は"キャラバン"でスタート。ドラムの藤井さんのアレンジがかっこいい。タイトなスピード感と赤木さんの緩急のあるソロがモノトーンと多色を行き来する。”ラテン・ジャズ・フルート奏者”と紹介される事も多い赤木さんだけれども、そう括るのは狭い感じがするといつも思う。ラテンとジャズとソウル/R&Bと時に和のテイストまで行き来する実態を表していない。

アルバムの一曲目でもあるこの曲は、デューク・エリントンの作品。ジャズといってもバップ・イデオムをベースにしないエリントンの曲はビート感もティピカルなスイング・ビートにも囚われない黒っぽさというかこってり感が魅力。
加えて、このキャラバンはプエルトリカンで名トロンボーン奏者のファン・ティソールとの共作。ティソールだからこそ持ちこめた、モード的なラテン感も魅力だ。

ラテンからソウルまでのグルーブ感のあるビートが一貫するこのアルバムのオープニングに、そしてこのライブにふさわしいかも。



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二曲目、なつかしい"Mister Magic"。ゲストのウイリアム・セペーダ(tb, shell)とトランペットの寺内茂さんが加わる。
ウイリアム・セペーダは、プエルトリコのボンバを継承するファミリーの一つ、セペーダ一家の出身で、トロンボーン&コンク・シェル奏者、パーカッショニスト、作曲家、アレンジャーとNYとPRをベースに多彩な活躍をしている。99年にDLGと共に来日しているが今回は2回目か3回目?

イスラエルのベースがかっこいい。心地よいグルーブ感。山口、京都とツアー最後だけあってユニットの息はばっちり。

三曲目はウイリアムのボンバな曲。"Unete"というタイトルだったと記憶。ウイリアムはシェルを吹く。大小さまざまなホラ貝から多様な音が出て声のよう。即興の演奏の繊細な感覚の強弱・緩急がビビッドに音色やリズム割に出る。一番前の席の幸運に感謝。

途中でウイリアムは手元のコンガでシカ(ボンバのリズム・パターンの一つ。)のパターンを叩きだす。

ボンバはバリールというコンガより短く太い太鼓を使い、低音でのブレアドール、中音のスビドールで基本リズムをキープし、高音のプリモ(キント)で自在にアクセントを付ける。

言ってみれば、ウイリアムと藤井さんがブレアドールとスビドールで、田中さんがコンガでプリモなのだった。

足がむずむずする。もしブルース・アレーでなかったら、もしバルコン・デ・スンバドール(プエルトリコのライブ・ハウス)なら、我慢しきれずに絶対ボンバ、踊ってたなあ。

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田中さんのソロに入り、ウイリアムは途中で “Campo Yo vivo triste”とコーラスを即興で挟み込む。セペーダ一家の面目躍如。故ラファエル・セペーダ翁の“Campo Yo vivo triste”からの引用だ。テンポはどんどん速くなり、リズムは一挙にオランデ”Hollande”へなだれ込みフィニッシュ。ふう。。

赤木さんの低音での"ドス"というか腹筋を緊張させるような音がすごかったです、そしてそれが上へ離陸すると眩暈しそう。

そして次の曲は"ストーン・フラワー"。赤木さんのソロ爆発!ユニットの不思議な浮遊感の中でメロディーがどんどん湧き上がってくる。

ここで休憩。

りえ&ウイリアムス&フラワー・アーティストさんのパフォーマンスでスタートしたセカンド・セット。

りえさん、吉弘さんのDUOで "You've got a friend"。ジャームス・テーラーの名盤”Mud Slide Slim”中の永遠の名曲。盟友の二人が自由に言葉なしで話しているかのよう。吉弘さんのゴスペル・フィーリングたっぷりのピアノは常にポジティブな喜び。赤木さんは透明な強さ。

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そしてウイリアムのこれまた不思議な曲。シェルを使うスピリチュアルな曲。題名はSubitoだったような記憶。ウイリアムは司令塔となり、またシェルを吹きながらプレーヤーと順番に音の会話を楽しむ。

ああいうCDでは出来ないところでの瞬発的会話が生み出すものは時に、すごい面白いものを引っ張り出す。ジャズでもボンバでもルンバでも。赤木さんと藤井さん、すごかった。




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最後はラテンな"ソウル・ワヒーラ"。プエルトリカンのボーカル、 ウィリー・パガンさんも参加。ソネオで今晩のライブの楽しさを唄いこみ、これまた立ち上がってステップを踏みたいところ。赤木さんやウイリアムのソロもリズムをプッシュして来る。







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アンコールはグルービーな、ジェレミー・スタイグの"グース・バンプス/鳥肌"。イスラエルのぐいぐいひっぱるペースは藤井さん、田中さん、吉弘さんとうねりを生み出し、赤木さん以下、フロント・ラインのソロがたっぷり楽しめました。楽しい夜でした。
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by mofongo | 2009-09-05 12:56 | Musica


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