2011年 05月 17日
御礼:5/14 いーぐる特集においで下さったみなさまへ
えー、5/14(土)いーぐる講演『ジャズはカリブ音楽の一種』においで下さいました皆様、ありがとうございました。おかげさまで結構な人数の方にお聞き頂くことができました。

しかし、後藤マスターの感想もありましたが

「長かった」

ですねぇ。15:30過ぎにスタートし19:00ころ終了。3時間半、つーことは成田-台北とか東京-岡山。かなりの方が「エコノミークラス症候群」となったと伺いました。すみません。
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以下、mofongoの個人の感想です。

講演のネライはジャズファンに流布している「かも」しれない"ニューオリンズで誕生したジャズ"という定型文言への語りかけで、それは歴史的検証もありますが、一方で「音楽の成り立ちは家系図のようにツリー構造じゃない」ということも表現できればなあ、と言うのものでした。

ニューオリンズ→カンサス→スイング→バップとか、ソン→マンボ→サルサとか、単純な進化論で固まらないほうがおもしろい。でないと下手すれば音が消費されるばかり、というあたりを。

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それは、ここ20年くらいのトロピカル・ラテンの音の中で、ティンバが出てきたとき「サルサの進化系」と言った日本のミュージシャンや関係者たちが居ました。自分にとってはこの人たちは一発で最低ランクに落ちたくらいがっかりした発言でした。それはサルサにとってもキューバ音楽にとってもどっちにも不用意な物言いだと思ったからです。

それよりその一つのジャンル、音楽が含んでいる色々な要素をまずはフラットに楽しみ、同時に好みに応じて重みを付けてもっと楽しめれば、っていう思いです。

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そして隠れチャレンジ(?)としては「キューバ以前」つまり「ハイチ」、そして「ダンス」でした。

ハバネラの影響力の強力さは言わずもがなですが、それより前、カリンダやバンブーラやジュバと言った音・リズムが広がっていた事、また音楽はダンスと密接に結びつき、各々の音が生まれる大きな要素だった事に触れたいなと。でもカドリールやカリンダ、ケイクウオークあたりは名称を触るだけとなってしまいました。

そしてラテン側としては、コロンビアのクンビア、バジェナート、クルラオ、パナマのタンボリート、ベネズエラのホローポ、ペルーのコスタの音、プエルトコのボンバとプレーナ、マルチニークのベレ、ジャマイカのメント、そしてブラジルのショーロなどなどかけたい曲山積みでしたが、背骨がジャズの講演なので絞りました。また機会があれば、そんな特集も良いかも。

ということで、かけた曲はこんな感じでした。

『ジャズ史で学ぶ世界の不思議』第一回 ―― ジャズはカリブ音楽の一種

■イントロ:ジャズは今のジャズにならなかったかもしれない!

1 Ry Cooder "The Pearls/Tia Juana"(1978) USA
2 Jelly Roll Morton "Tia Juana"(1924) USA
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■本編:ヨーロッパ&アフリカからカリブへ、そしてカリブから「ジャズ」へ

1.ヨーロッパからカリブへ:『カントリー・ダンスからコントルダンス』【ハイチ革命まで】
3 The City Waiters "Country Dance-The Merry, merry Milkmaids" (1992) UK

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2.アフリカからカリブへ:
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4 (from La Voix de Globe) “大声で言うだろう” Zimbabwe
5 (Recorded by Alan Lomax)“ Papa Gede kenbe-m”(1936) Haiti
6 Los Congos del Espiritu Santo " Calunga"(1960')Dominican Republic
7 Tiroro "Petro-Quita"(1950') Haiti
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3.混じり合う音:ハイチ革命後19世紀後半まで(カリブ海)
8 Jules Sims "Bagai Sala Que Pocheray Moin"(1914) Trinidad
9 Tumba Francesa "Muerive yo dila"(2005) Cuba
10 Ignacio Cervantes(1847-1905) "Duchas Frias"(1983) Cuba
11 Eduardo Sanchez de Fuentes (1874-1944) "Tu" (comp1889) Cuba
12 Guillermo Rubalcaba "Verdad"(1987) Cuba
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4.混じり合う音:ハイチ革命後19世紀後半まで(合衆国)
13 Louis Moreau Gottschalk(1829-1869)"Festa Criolla"
from "A Night in the Tropics" (comp1859)USA
14 John Philip Sousa (1854-1932) "La Paloma" (comp1863) USA
15 John Philip Sousa (1854-1932) "Stars and Stripes Forever"(comp1897) USA
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16 Scott Joplin (1968-1917) "Heliotrope Bouquet"(1907)USA
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5.ジャズにならず発展した兄弟たち:カリブ海音楽のいろいろ
17 Lita Ariran "Yurumey"(1993) Honduras/ Garifuna
18 L'Orchestre Antillais Sepent Maigre"(1929) Martinique
19 Atilla The Hun "Roosevelt in Trinidad"(1937) Trinidad
20 Joseph Spence“There Will Be A Happy Meeting In Glory” (1958) Bahamas
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6.ジャズになった音:草創期の「ジャズ」のカリブ性(スパニッシュ・ティンジ)
21 Piron's New Orleans Orchestra "Mama's gone Good-bye" (1923) USA
22 Louis Armstrong "St. Louis Blues"(1929) USA
23 Sidney Bechet "Tropical Mood Rhumba" (1939) USA
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7.ニューオリンズ音楽のその後:カリブ性とブルース性の混在。
24 Professor Longhair "Mardi Gras in New Orleans"(1949) USA
25 Dr.John "Iko Iko"(1972) USA
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8.その後のジャズとカリブ音楽。両者が再び出会うのは?
26 Frank Emilio Frynn “Gandinga, Mondongo y Sandunga” (1996) Cuba
27 Albert Ayler "Ghost"(1964) USA
28 Jaco Pastorious "Liberty City"(1982) USA
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■アウトロ:最後はこれで盛り上がろう!
29 Sonny Rollins "St.Thomas"(1956) USA

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しかし、聞いてくださった方はおもしろかったでしょうか?ご意見、ご感想ありましたら是非ともお願いします!
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by mofongo | 2011-05-17 03:55 | Musica


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