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2011年 05月 20日
赤木りえ「カリビアン・フルーツ・ジャム」@JZ Brat, 渋谷 2011.5.16
サブタイトルに“熱狂のCarnival ~Jam Sesson 十番勝負 其の壱”ということで当夜はゲストのフレディー・ミランダ・ジュニア/ Freddie Miranda Jr.(perc)が起爆剤になり燃えあがる予感。19:30のスタートには間に合わず、2曲目(くらいか?)から飛び込む。

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今夜のメンバーは中島 徹(pf) イスラエル・セデーニョ・ジュニア(b)、岩瀬 立飛(dr) 美座 良彦(perc)
そしてスペシャル:ゲスト フレディー・ミランダ・ジュニア(perc)

フレディー・ミランダ・ジュニアはあのプエルトリコを代表するサルサ・オルケスタ"エル・グラン・コンボ・デ・プエルト・リコ"のサックス奏者フレディー・ミランダの息子。島で若手~中堅のティンバレーロ/ボンゴセーロとして活躍していたが、縁あって今横田基地に昨年から勤務しAir Force Bandで音楽をやっている。

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バンドは絶妙なバランス、ずしっとした安定感とグルーヴ。赤木さんの音はきめが細かく背骨のある音で美しい。そして今夜はなんだかかなり骨太に聴こえる。

パーカッシブなフレーズのつぶが大きく見えるよう。そしてそれがメロディアスなフレーズに展開する瞬間がスリリング。色がきらめく。アニメで一瞬星が散るような感じ。


ピアノの中島さんは大きな音からピアニシモまでのダイナミクスが大きく、リズム隊4名の波に対峙している。そして大阪人。楽しい。

イスラエルは彼独特のグルーヴ感や、お約束の声とユニゾンのソロを聞かせてくれたりと楽しい。岩瀬さんはラテンとジャズをとりつなぎ煽り・支え・燃え上がる。美座さんは、オンのリズムに対して思いっきりため込むようなソロが一転解き放たれ爆走する瞬間、思わず腰が浮く。


席についてラムでのどを潤したら始まった、"El Cumbanchero"。プエルトリコへのレスペクト。モントゥーノ部分、フレディのソロがフィーチャーされる。

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何というか、音が前に出てくる。音量とか音質の話ではなく、「出そう」と意識して出すというアピールやテクの話でもなくて、溢れるフレーズ、一つの場所に止まらない変化やスピードとエネルギーをキープした演奏だから「前に出てきちゃう」感じ。

ソロのバックに回っても、「色の付け方」が多彩でかなり楽しめる。面白い。

続いてプエルトリコのクリスマスには欠かせない"Villancico Yaucano"。やさしいメロディー。りえさんのフルートの音色が森の木漏れ日に響くような透明だけど深くやさしい色になった。

フレディがグィロを担当。もちろんプエルトリコ特有のヒバロ・グィロ(Guiro jibaro/Guira jibara)。控えめで繊細な音だけどグィロの音一つでプエルトリコの香りが湧き立つ。

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そしてアントニオ・カルロス・ジョビンの"Stone Flower"をボンバ~レゲトン~ブラジリアンなリズムで。

フレディは美座さんと一緒にコンガへ。ボンバはおなじみシカ(Sica)っぽいリズムに気持ちクニャ(Cunya)のようなニュアンス。ちょっとうれしい。

聴きどころはフレディがプリモの役目をしてピアノのソロに対して切り込むところ、そしてソロになってボンバ特有のソロ・フレーズであること。ルンバなどは違うパターンと音質が聴けるのがボリクアのプレイ。

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後半は、Kiroさんの歌をまず一曲。"Like a bird in a cage"りえさん、中島さんがバックを。癒し系な歌と作品。

そしてバンドのメンバーが戻り"Never Ending Story"をメレンゲで。
そして続けて"サンタナの"Evil Ways"をチャチャチャで。っつてもソロに入ると美座・フレディが相乗効果で熱々。

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そして一息、中島さんとのデュオで"El dia que me quieras"。カルロス・ガルデルの超スタンダードの美しい曲。大好きな曲。穏やかに始まったテーマが中島さんのソロを経てフルートのテーマに戻ると切ない。どきっとする。同じメロなのに。でもその炎を抑えるように穏やかに締めくくり。はぁ。

そしてラストの曲"Obsesion"。言うまでもなくプエルトリコのペドロ・フローレスの名曲。
ソロに入り疾走。フレディは実にボリクアな熱さ、フレディは実にボリクアな熱さ、プエルトリカンの魅力の一つは「切れる」感じを持っている事。彼もだ。それを絶え間くパターンを変化させて叩いてくる。それはバックに回っても同じ。

ボンバで、「クア」と呼ばれる竹や木をスティックを叩く楽器がある。ティンバレスのカスカラのご先祖のような。別名「グアグア」ともいうけど、これがバリールのドライブ感を大きく左右する。彼のティンバレスにはそんな事を感じる。

アンコールとなり、大儀見元さんがコンガで参加。美座さんがティンバレス、フレディがボンゴ。大儀見さんはプエルトリコに6ヵ月滞在してた時、Willito Lopezの家でフレディとは夜中までよくデスカルガした仲なのだそうだ。

Wilitoはボビー・バレンティンやパルミエリ、そしていろんなオルケスタに参加。最近じゃPuerto Rican All Starsやポンセーニャとやっているベテラン。

曲はMario Bauzaの"Tanga"。アフロ・キューバン。イントロのボンゴとコンガの短い受け渡しがかっこいい。。大儀見さんも燃え!でライブ終了。

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帰りがけフレディと話した。日本で基地の外での演奏機会を増やしていきたいって。
またこのユニットで聴いてみたい。

by mofongo | 2011-05-20 00:45 | Musica


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