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2006年 03月 11日
マルビン・サンティアゴのDVD "El Sonero del Pueblo : Vida y Obra" 昨年出たこのDVD、日本で買い逃したのだけどサンファンのCD屋で無事捕獲。 マルビン・サンティアゴは、おととし亡くなってしまった島の庶民を代表するソネーロ。写真見ると「なんや?このおっさん」と思うかもしれないが、この人無しにはプエルトリコのサルサは語れない。 プエルトリコにはイスマエル・リベラからマーク・アンソニーに至るまで素晴らしいサルサの歌い手が連なるけど、このマルビンは島の骨太でハードでリラックスした部分、ストリートの匂いプンプンな世界を聞かせてくれる。 前に、レゲトンのブログに書いたけど、ダディー・ヤンキーがライブでマルビンの香りを振り撒いてるのは、ストリートのバード・エッジな匂いに対する共感、羨望、レスペクトであることは間違いない。 コンサートのリハに呼んで貰って話したことがある。「ただのおっさん」だった。でも、ソネオ(モントゥーノをバックにアドリブ歌詞を紡ぎ出す)を始めるとすごい。 リハだから、長々やるわけじゃない。でも、一緒にリハに参加してるアンディ・モンタニェス、ルイジ・テキシドール、パキート・グスマンとかがじっと見つめる視線がマジ。ラロ・ロドリゲスなんか、ちょっと、うっとり見たいな視線。表面的にはタイプ違うかもしれないが、やっぱり底に有るものはたくさん同じモノがある二人だ。 マルビンの経歴は、昔ラティーナ誌に書いたものがあるので見てみて下さい。これを書いたとき、ほんと寂しかったのを思い出す。 →Page 1 →Page 2 で、この2枚組みのDVD、NTSC オール・リージョンだから日本でも問題なく見られます。 1枚目がバイオグラフィー。合間合間にミュージシャンなどが「マルビンの思い出」を語るコマやマルビン自身のインタビューが入ります。 これが、なかなか面白い。トミー・オリベンシアのところに一瞬在席して録音したときの話とか、ボビー・バレンティンとの時の話とか。但し全面スペイン語なので、プエルトリコ・サルサのディープなファンでないと楽しむには重たいですが。 インタビューはビリ・バン(マルビンの末の弟でプレーナのミュージシャン。似てる!)から始まり、サミー・アヤラ翁、ウイリー・ロサリオ大先生、ロベルト・アングレロ、トミー・オリベンシア、 ボビー・バレンティン、ルイシート・カリオン、ダルベル・ガルシア、サミー・マレーロ、ビエラの親父、バレンティン・バルデスなど。 ロベルト・アングレロの姿は嬉しい。ただの親父だけど。プエルトリコ・サルサのコロの達人ダルベル・ガルシアが語る、というのもめったに無い映像です。トミー・オリベンシアは老眼鏡の凸レンズのせいで目が大きくみえる。みんなマルビンが好きだったんだよね。 DVD二枚目はベネズエラでのTV番組用のステージ。81年という油の乗った舞台。"Nostalgia"から始まり、"Embajador"や"Fuego a la Jicotea"まで歌いまくる。ホセ・ガスメイのベースがブンブンうなり、チェイート・キニョーネスとダルベル・ガルシアのコロが島ならではの緊張感と開放感を同時に醸し出す。 出だしはそれ程でもないのに、だんだんあったまってくると凄みが出てくるステージ。娯楽音楽番組でスタジオも明るく、観客はローティーンで会場もリラックスなのに、やってる方のテンションがハイなのがすごい。 そして最後の2曲はプエルトリコでのTV番組。"El Pasajero"と"El Hombre Increible"。 スピード感のたっぷりの映像と、詳細なバイオ、島のみんなの証言がとても嬉しいDVDです。ラボー、フランキーとの写真もあったりして。 これが現地じゃ$15.00だもんなあ。やっぱり一家に1セットって事でしょうか。
by mofongo
| 2006-03-11 16:05
| Musica/SALSA
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