2006年 12月 04日
旅日記・ドミニカ 06.11
ドミニカと言うと西語圏のドミニカ共和国の事を思い浮かべる人が多いと思うけど、今回訪ねたのは英語圏のドミニカ。正式名はCommonwealth of Dominica

b0015362_12291671.jpg
仏領のグアドループとマルティニークにはさまれた人口約7万人の島。佐渡島よりやや小さい。18世紀に仏領から英領となり以後、英語が公用語なのだが地元にはフレンチ・パトワ: KWEYOL (Creole)が残る。これがいいんだ。”Bon jou”、”Bonn apwe midi”、ね。

火山島の切り立った地形は平地が少なく、大型空港も作りにくかったせいか、大規模なリゾートホテルも無く、カリブ圏の中では最も自然が残っている島なのだ。

加えてカリブで唯一、インディヘナ(インディオ)、つまり現在のカリブの名前の元となる人たちの末裔が今も生き残っている。

◆◆◆

b0015362_1302410.jpg
サンファンからプロペラ機でひとっ飛び。3度目のメルヴィル・ホール空港はほんとこじんまりした空港。







b0015362_143114.jpg
荷物用のターンテーブルなどないのだ。飛行機から下ろされ建物に運ばれた荷物は、床に置かれてみんな自分の荷物を探す。長距離バスのターミナルみたいだね。出口にタクシーが群がってるようなことも無く、静かなもんだ。



b0015362_1312855.jpg
ドミニカとセント・ビンセントはカリブの島の中でも特にこの自然の濃いカリブが保たれている。
そのためか、この2つの島はジョニー・デップの出演した「パイレーツ・オブ・カリビアン」のロケ地に選ばれている。



b0015362_1432897.jpg
ちょっと車で寄ってもらった。何ヵ所かあるロケ地の内、第2話の椰子の林の中で宝箱を奪い合うシーン。
未だにひと気の無い湾の島影に海賊船が潜んでいてもおかしくない静けさだ。





◆◆◆

b0015362_132542.jpg
大西洋側の空港からカリブ海側の首都のロソーまでは島の真ん中を突ききって約一時間。途中は緑の深い熱帯雨林の間を縫う道を通る。これも、カリブのもう1つの顔。ようやくダウンタウンのホテルにチェックイン。






b0015362_134257.jpg
英領系植民地の匂いが残る町は、フレデリック・フォーサイスの"The Deceiver"(邦題:「カリブの失楽園」←なんですかね、この題名・・・)を思い起こさせる。






b0015362_134374.jpg
夜はお客と飯。ますはバーで一杯。地元のビール、Kubuli (クブリ)でスタート。久しぶり、この味。おいしいビールはいい水が豊富にある事が条件。その点ドミニカは120点。

そして、カリブのもう1つの楽しみはラム。日本酒やワインの蔵元めぐりと同様に、日本になかなか入ってこない地元ブランドを順番にショットで楽しむのだ。”SOCA”というブランドのラム、なかなかコクがあった。



b0015362_1354674.jpg
さて、飯はフレンチ・カリビアン・スタイルプランテンのつめもの、パンプキン・スープ、そしてDay’s Catch(本日取れた魚)のグリル。この日は「マヒマヒ」。地元の”Bello HotPepper Sauce”がよく合う。






b0015362_135672.jpg
飯が終わって10:00pm、店を変え、地元のライブを聴きながら一杯やる。最初のバンドはゆったりしたルーツ・レゲエ。良い感じ。そして次のバンドはジャズ。太いテナーの音色でカリプソやちょっとフュージョンぽいものを。ロリンズみたい。特に観光客向けの店と言うことじゃないので、きっと地元はこう言うのが受けるのかな。そしてバンドはよりダンサブルなソカとR&Bとダンスホールなのが登場。これ、面白いわ!

b0015362_12394977.jpg
歌詞はドミニカ訛り英語だったり、クレオールだったり。ビートは、ソカにしてもトリニのスルドいソカに比べなんどもゆるい感じ。ダンスホールも同様。なんか、お隣の島のシュリ・カリのビートやプエルトリコのゆるいボンバ(ジュバ)とかのビートと共通性を感じてしまい、ちょっと興奮。


b0015362_12401021.jpg
やっぱりここ100年くらいに生まれたジャズやソウルやサルサなんかより前に、カリブの島の間で、ゆーっくりと伝わったり混じったりした音感、リズム感があるんじゃないだろうか。

このドミニカはライム・ジュースや農産物の産地としてトリニダのポート・オブ・スペイン、プエルトリコのポンセやマヤグエス、ハイチのポルトープランス、マルティニークのフォール・ド・フランス、アメリカのニューオリンズなどと行き来があったことは博物館の資料にあったが、カリブの経済の動きは音にも当然影響があったと思う。

b0015362_12415567.jpg
そういえば、「パイレーツ・オブ・カリビアン2」の1シーン、トルトゥーガの町の酒場を思い出した。トルトゥーガはハイチの北側の島だが、そのシーンでプエルトリコの楽器「クアトロ」が一瞬登場していたのだ。あの時代にクアトロが現在のあの形に成っていたかは疑問だが、スペイン起源の楽器や歌に限らず、いろんな音が混在していたことを想像させるシーンだった。


b0015362_1242984.jpg
現在では、ドミニカで毎年“World Creole Music Festival”が開かれ、カリブの音が交流している。10月開催。10回目の今年はジャマイカのShaggy、Byron Lee,アメリカからはWyclef Jean、ハイチのTabou Combo、T-Vice,Djakout、Carimi、グアドループのK’RAVAN (Zouk-Flan)、Admiral-T、そして地元ドミニカのWCK, Triple Kay, Impromtu Bandなんかが参加している。

◆◆◆


さて、翌朝は別の客と朝飯食いながら話す。先方はコンチネンタル。こちらはドミニカ風。

b0015362_1364148.jpg
トリニダッドや英領カリブでお馴染みのブルジョル(Buljol)コッド・フィッシュのフレークとトマトやオニオン、ピーマンなどを刻んだものを炒めたモノ。ホット・ペッパーやその他香辛料で味を整え出来あがり。「Buljol & Bake」として揚げパン/揚げ焼きパンの”Bake”と共に供される。




b0015362_13725.jpg
ドミニカのブルジョル、トリニにも同じバリエーションがあるかもしれないが、カレー風味なのだ。そしてこの店の場合、野菜は上品にサラダとして別に添えてある。アツアツのベイクにこのブルジョルを挟みこんで食べるのだ。ああ、うまい

名前の由来は、元々はフランス語のBrûlê Gueuleがフレンチ・パトワ化したものと言われている。「口が焼けちゃう」という意味。オリジナルは相当からいのかも。でも、今ではそれなりにマイルドに。

このブルジョル、、上品なレストランではサラダとして登場する事もある。炒めずに、ライムとライムジュースとサラダオイル(オリーブオイル)で和える、香辛料で整える。このサラダの場合、プエルトリコ等の西語圏では”セレナータ”(Serenata)、仏語圏では”シクタイユ・ド・モルー”(Chiquetaille de Morue)などと呼ばれる。

つまりこの、コッド・フィッシュ(塩タラ)の料理、カリブ全域でとてもポピュラーだということだ。
プエルトリコやキューバではバカライート他、バカラオ(Bacalao)の各種料理、ジャマイカには定番アキー・ソルトフィッシュ(Ackee Saltfish)、ポル語圏ではバカリャウ(bacalhau)料理。

“クレオール/クリオージョ”と括られるカリブだが、普段は英語圏、西語圏、仏語圏を串差しにする統一性はなかなか見えない。でも、こういう料理の中にちゃーんと潜んでいるのだ。そして、それは、音楽のビートの中にも。
[PR]

by mofongo | 2006-12-04 01:37 | Viaje/漫遊記


<< 旅日記・プエルトリコ06.11...      旅日記・トリニダッド06.11 >>