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2007年 02月 14日
第24回目のサルサ国民の日。日程と場所が発表になりました。さあ、行く人はさっそくチケット取りましょう! 3/18(日)、イラム・ビソーン(Hiram Bithorn)球場です。ひさしぶりですねー、ここ。1995年以来じゃないでしょうか。 カリビアン・リーグなどでおなじみのイラム・ビソーンは、フィールドが荒れるの嫌ってか、ここの所ずっと大型コンサートを受け入れてませんでしたが、やはり、カロリーナに新球場”ロベルト・クレメンテ・ウオーカー"が出来たのが影響たのか?ホテル地区から行きやすいので歓迎です。 てなことはどうでも良くて、今年はプエルトリコのこころ、ヒバロの香りが満載なんですよ。 なぜかと言うと今年の企画は「ラフィー・レアビ、サミーマレーロ、イスマエル・ミランダ、そしてラモン・ロドリゲスに捧ぐ」なんです。 では出演者です。 パポ・ココテ(Papo Cocote), ルイス・ペリーコ・オルティス(Luis Perico Ortiz)のオルケスタには ロベルト・ルーゴ(Roberto Lugo)とラファエル・デ・ヘスス(Rafael de Jesus)のボーカル、そしてイスマエル・ミランダ(Ismael Miranda)、 ラフィー・レアビとオルケスタ・ラ・セレクタ(Raphy Leavitt y La Selecta)。濃いですねー。 またこれもうれしいオルケスタ・ラ・マサクレ(La Masacre)。これはなんとフリート・カストロ(Julito Castro)、ラモン・ロドリゲス(Ramon Rodriguez)、そしてティト・ニエベス(Tito Nieves)がフロントですよ。そう、お分かりになりますね、そこのファンの方!コンフント・クラシコのヒバロな良心、ラモン・ロドリゲスも来れば千人力です。 ね、この組み合わせ、コアなプエルトリコファンなら「ああ、ヒバロ!」と落涙、号泣する人もいるかと思います。(←自分の事だ・・) しかしそんなことばかりしてると、引かれてしまうので柱の陰でそっと涙を拭き、ヒバロの話でも。 「ヒバロ」とはプエルトリコの山間部を中心に生活する農民の総称なのです。スペインを中心にした欧州系の人の子孫が多いですが、今ではいなくなってしまった、島の最初の住人、インディオ系(タイーノ)や奴隷として島につれてこられたアフロ系の血も混じっているといわれています。 「ヒバロ」は貧乏ではあるけれど、自然の中で質素に純朴に生きてきた庶民の典型であり、プエルトリコの人にとってこの「ヒバロ」という言葉は「普通の人である自分」の原点を思い起こさせるものだと思います。 そんなヒバロの地で育まれてきた音楽は、スペイン/欧州を起源にもつ弦楽器(クアトロやティプレ及びギター)がスペイン的な旋律を奏で、タイーノ系のグイロ、アフロ系のボンゴなどがリズムを刻みます。独特の、時に快活に、時に哀愁感の異常に強い個性ある音や歌。これが、サルサに独特の哀愁感/切なさを与えたのは間違いありません。 →ヒバロに興味が出た人はこちら ちょっとだけ出演のメンツの話を。 ■パポ・ココテ(Papo Cocote)と聞いて、誰?と言う人も彼のグループの"El Montuno"という名前を聞いて、「あ、それはRoberto y su Nuevo Montuno!」と思い付いた事でしょう。(そんなやつはいないか・・・・)。 えー、とにかく、60年代から70年代にかけて "El montuno llegó",とか"Margarita"、いまでもラジオでかかる "Monina y Ramon"など、とにかく島で人気だった、"Nuevo Montuno"です。パポ・ココテってこのロベルト&ヌエボ・モントゥーノで歌ってた人気者。出身はヒバロ地帯の山の中のコメリオ(Comerio)って町なんです。 ■ルイス・ペリーコ・オルティス、これは説明不要ですね。ボーカルのロベルト・ルーゴとラファエル・デ・ヘススは説明したいけどまた今度。イスマエル・ミランダ、こちらも説明不要ですね。 ■ラフィー・レアビとオルケスタ・ラ・セレクタ、ああ、ヒバロです。 ラフィー・レアビの大ヒット曲はなんといっても"ヒバロ・ソイ"(Jibaro Soy)ですね。まさに「俺はヒバロだ」という題名の曲です。ラフィー・レアビは1948年、サンファンのプエルトタ・デ・ティエラ(Puerta de Tierra)で生まれてます。庶民ですねー。つまり貧乏だったわけです。彼は小さい頃から音楽も勉強もしっかりで奨学金もらってプエルトリコ大学の経営学部に入ったりします。一方で、音楽好きの家族の間で育ち、小さいころからファミリー・バンドでボレロとかやってたという育ちと情熱は、彼の音楽へ大きな影響を与えます。 ラ・セレクタを組んで彼が作った音は「サルサ・ビバラ」、ヒバロの音の豊かさ、情感、そしてヒバロという庶民の生活や感じ方を歌詞と音に織り込んだものでした。 いわゆる「ヒバロ」な町の生まれではないけど、生粋の庶民であり、ヒバロな山間から食えなくて出てきた庶民も一杯住んでいたPuerta de Tierraという場所の感覚は、まさに都会の「ヒバロ」。 ボーカルはサミー・マレーロ。泣けますねー、この湿度の高い熱帯夜に抜けていくようなヒバロ声。 コアモというプエルトリコ南部の、これまたヒバロ地帯で生まれ、幼い頃にバヤモンに引越し。バヤモンもいまでこそ開けて商業地・住宅地的ですが、昔は農業、牧畜のヒバロ地帯だったんです。なんてったって、チュイート(Chuito, el de Bayamon)がいた所ですから。そんな中で育ったマレーロがヒバロな歌唱方を身につけない訳がありません。 おっと、ヒバロ・ソイに戻ります。この曲もコンサートで当然予定されてますがクアトロのペドロ・グスマンとプロディヒオ・クラウディオの登場が加わります。 クアトロは復弦5コースの小さなギターのようなヒバロ特有の楽器。プロディヒオは昨年フルート奏者、赤木りえさんとの共演の為来日してますね。 そう言えば赤木さん、プエルトリコ三大クアトロ奏者(今回の2名+エドウイン・コロン・サヤス)と共演してつだけじゃなく、この間のプエルトリコ録音時にマレーロの故郷、コアモで大ヒバロ・セッションされたとか。 おっとまたヒバロ・ソイに戻ります。ヒバロの歌、「トローバ」(Trova)で三人の名手(トロバドール)、マリアノ・コットMariano Cotto, >ビクトル・マヌエル・レジェスVíctor Manuel Reyes y ビクトリア・サナブリアVictoria Sanabriaも参加。即興のバトルを繰り広げるのも楽しみです。 ■最後にオルケスタ”ラ・マサクレ”。しかし、こんな調子で書いてると終わらないですね。ラ・マサクレはフリート・カストロが作ったオルケスタで70年代島で活躍しましたが、昔、ピアニストのフェルナンド・オヘダのオルケスタで前述のサミー・マレ-ロと一緒だった事もある、これまたヒバロな繋がりもありです。 ティト・ニエベスはこのオルケスタでメインの歌手としてデビュー。そしてコンフント・クラシコへと進みます。ラモン・ロドリゲス、レイ・カストロの強力に素晴らしいオルケスタですね。 ということでサルサとヒバロという音楽がいかに密接に繋がっているかを確認するには絶好な機会ですね。サルサという音楽がニョーヨークで生まれた時、プエルトリカンのコミュニティーとそのコミュニティーが長年ニューヨークで死守してきたその文化と音楽「ヒバロ」「ボンバ」「プレーナ」などが、サルサのサウンドに大きな影響を残した訳です。 ここのところをこのコンサートで感じることが出来れば、今年夏に海外で公開予定のマーク・アンソニー、ジェニファー・ロペスが共演する、偉大なサルセーロで、そして普通の弱い人間だったエクトール・ラボーの伝記的映画"EL Cantante"を100倍楽しむことが出来ると思います。 ということで、行こうかなあ、、、行けるかなあ。。。
by mofongo
| 2007-02-14 01:05
| Musica/SALSA
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