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2007年 06月 08日
第24回 サルサ国民の日 (2) /Dia Nacional de la Salsa
(パート1より続く)

さて、3番目に登場したのはラフィ・レアビとラ・セレクタ

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このオルケスタは「サルサ・ヒバラ(ヒバロ・サルサ)」と言われるくらいのヒバロの香りを新しいフィーリングと融合させた数々のヒットで知られる。リーダーでピアニストであるラフィー・レアビとヒバロの香り高いボーカルのサミー・マレーロの個性はあまりに強烈だ。

(もしお手元に河村要助さん著の『サルサ天国』があれば219ページからの「プエルトリコの夜の深さ:ラフィー・レアビ、サミー・マレーロなど」を再読して頂ければその魅力が素晴らしい文章で描かれています。)

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"Somos el son", "Amor y paz", "La rosquillita", "Cafe colao", "El buen pastor", "Mi barrio", "La guinaita", "La cuica" 、そして"Soldado"とヒット曲がどんどん出てきて会場は盛り上がる。このオルケスタはやっぱ特別ですね。

最後の曲「ヒバロ・ソイ」(俺はヒバロ)では、ヒバロの歌い手が顔をそろえ、歌を競う。伝統の「コントロベルシア」だ。これは数小節ずつ韻を整えた(デシマ)即興での歌を競うもの。

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登場したのはまず、ヒバロのトロバドール一家、サナブリア・ファミリーを今やしょって立つビクトリア・サナブリア(Victoria Sanabria)姐さん。男性軍もまけてはいない。バカルディーのトロバド-ル・コンテストの優勝者、素晴らしい機知に富んだ即興を得意とするビクトル・マヌエル・レジェス(Victor Manuel Reyes)、そして大ベテランのマリアノ・コット(Mariano Cotto)。(写真左から、ビクトル・マヌエル・レジェス、ビクトリア・サナブリア、マリアノ・コット、サミー・マレーロ)

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それにクアトロのペドロ・グスマン(Pedro Guzman) とクラウディオ・プロディヒオ (Claudio Prodigio) が加わり、これまた即興を競い合う。

ペドロはエレキ・クアトロでした。プロディヒオは、来日の時同様にバキバキの早引き。すごいね。


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隣で聴いてた、まだ高校生くらいのあどけなさの残る兄ちゃん、必死で彼らのソロを見ていた。あとで、聴いてみるとクアトロ大好きで、彼らは偉大なアイドルなのだと。

「日本でマイ・クアトロの上にプロディヒオにサインしてもらったよ」と言ったら、驚いて仲間を呼んだ。

「日本にクアトロなんてあるのか?」とか「ヒバロのCDは売ってるのか?」とか、挙句の果てに「どうやったらクアトロが上手くなると思うか?」とか質問攻めにあった。最後は「皆でマエストロ・ラディとマソ・リベラ(今は亡きクアトロの大名人たち)を勉強しよう!」と盛り上がった。いやー、プエルトリコ。

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さて、再びルンバ・デ・フエゴのダンスのパフォーマンスをはさんで登場したのはルイス・ペリーコ・オルテスのオルケスタ。若くして60年代末から80年代にニューヨーク、プエルトリコで活躍し、その後プエルトリコに居を構えてシーンを引っ張るペリーコ。






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今日はロベルト・ルーゴラファエル・デ・ヘススのオリジナル・メンバーがフロント!名曲の数々で会場はゆれる。








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"Mas amor"、"Islen~o"、"Tin Marin" 、"Bohemio"と来て、ステージにはカチェーテ・マルドナードとロス・マハデーロスが加わる。カチェーテは脳溢血で倒れてからリハビリを続けているが、再びステージで見られるのはなんとうれしいことか。カチェーテはカホンを叩く。

ルンバ風味たっぷりの'Como vivo yo'が始まるり、ペリーコのジャズっぽいソロが始まると、舞台にはテナー・サックス奏者が登場。


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ダビド・サンチェス(David Sanchez)だ。なんと強力なソロだろう。リズムがボンバのアクセントを強く押し出し、ダビドを煽る。トロバドール達がコロを繰り返す。その発声方法はヒバロ/プエルトリコのサボールそのもの、モントゥーノは島独特の色に満ちる。

同じモントゥーノの形式でもキューバの路地裏の音とプエルトリコの路地裏の音は確実に違うけど、このステージは島のベストのメンバーでその点をまざまざと見せ付けてくれた。

→YouTubeで動いてるのを見る

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興奮冷めやらぬステージに、、予告なしで登場したのがなんとTNT Bandティト・ラモス(Tito Ramos) と トニー・ロハス (Tony Rojas)。60年代後半から70年代にNY・PRでヒットを飛ばしたバンドだ。まさか、こんなところで見られるとは。 'Sabre olvidar'を歌い、会場は大喜び。




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そして休憩を挟んで、今日のトリ、イスマエル・ミランダ (Ismael Miranda)登場。
いまさら"Nin~o Bonito"(美少年)でもないだろうけど、やはり彼を紹介するときはそうなっちゃうんだね。バックはルイス・ガルシアが率いる。





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さて、その彼がまさに美少年真っ盛りだった初期に在籍したのがジョーイ・パストラーナ (Joey Pastrana)のオルケスタ。
今日はそのジョーイがティンバレスで参加。ミランダの初レコーディングはこのバンドでの"Let's Ball"。そして最初のヒットが"Rumbon Melon"だ。ジョーイは60年代、ブガルー時代'Riquichi'などのヒットで一世を風靡した。今でも、クラブ系のMixiの音源で登場したりと、かっこいい音。

そしてオルケスタ・ハーロウに参加。 アルバム"Orquesta Harlow presenta a Ismael Miranda"ですね。そしてファニア・オールスターズの看板のひとりとなり、73年のオルケスタ・レベラシオン(Orquesta Revelacion)と続く。

その彼のキャリアに欠かせない盟友ネルソン・ゴンサレス(Nelson Gonzalez)のトレス、ニッキー・マレーロ(Nicky Marrero)のティンバレス 、ジョー・サンティアゴ(Joe Santiago)のベースが加わり"Se casa la rumba"、 "La revolución"、そして歌は"Cipriano Armenteros" 、"Maria Luisa"と続きボンゴにロベルト・ロエナ(Roberto Roena)も加わり、最後はデスカルガ。

こうして8時間以上続いたコンサートは終了したのでした。

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しばらく、ベンチに座ってぼけーっとしていた。なかなか帰らないグループもいてグラウンドでデスカルガ始めたり、踊ってたり。
横で、同じようにぼけっとしてた、家族連れのおばちゃんと目が合うと、

「良い夜だよね」

と声を掛けてくれた。

「昼も夜もプエルトリコはいつも最高」

と答えたら、笑ってくれた。

(パート3へ続く)

by mofongo | 2007-06-08 22:48 | Musica/SALSA


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