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2008年 03月 15日
(Part 1より) ビエラ爺のところで捕獲したCDのうち最近のものをいくつか。 ◆Descarga Boricua / "Salseando" (Tierrason 007) ![]() 久々のデスカルガ・ボリクアの新譜は2枚組み。昨年2月のプエルトリコでのライブ。いつのも通りFran Ferrerの仕切りだけど。今回はPRとNYの腕っこきが思いっきり「サルサ」を好きなように楽しんだデスカルガ、まさにタイトルの「サルセアンド(="Salsa-ing)"通り。そしてその舞台は音楽監督のルイス・ガルシアがしっかり用意。鉄壁のオルケスタが反応の良い観客を前に気合入れて楽しんでるのが聴き所。 ドゥエロ・アノーチェセールでドミンゴ・キニョネスを下し、プエルトリコの聴衆のその名を轟かせたエルマン・オリベラスと同じくNYの誇るフランキー・バスケス。特に今回フランキー・バスケスのソネオが冴えている。スパニッシュ・ハーレム・オーケストラのレイ・デ・ラ・パスもプエルトリコでドライブがかかってる。ティト・アレンは、その艶やかなリズムと声が素晴らしい。PR側もウイッチー・カマチョのボレロ、そして4曲を歌うダルベル・ガルシアの活躍もポイント。コロの仕事師がついに実力を見せたって感じ。カコ・セナンテのボレロもばっちり。 戦いは歌い手だけじゃない。PR勢の中でジミー・ボッシュ(tb)はNYのプエルトリカンの骨太さたっぷりのソロ、PR側もNY勢の気合で盛り上がり、冷徹な達人アンジー・マチャード(tp)も燃える。近年のりに乗っているカチーロ・トンプソン(conga)が随所に聴かせるプレーも特筆点。 皆が楽しんで盛り上がるのは、おなじみの「サルサの基本」みたいな曲ばかりな為、歌って楽し、踊って楽し、聴いて楽しと言う訳。踊りと言えば、ステイシー・ロペスと彼のチームがステージを一層盛り上げている(DVDでどうぞ)。彼には昔色々お世話になったので、踊る姿が見られるのはうれしい。 曲の出どころと本作で歌っているのはこんな感じ: ![]() 1. Caridad by Wichy Camacho & Darvel Garcia:ラリー・ハーロウのHommy (1973)に収録。原曲のタイトルは"Cari Caridad"でパポ・ルカのアレンジ。このアルバムでは"Mantecadido"とかと併せ人気の定番曲。 ![]() 2. El Swing by Adalberto Santiago:やわらかいトニート・バスケスのトロンボーンが島の香りを一杯に広げる曲はプエルトリコではおなじみ。アンディー・モンタニュエスの歌、エル・グラン・コンボの"El Swing del Gran Combo"からのヒット。 ![]() 3. Que Humanidad by Herman Oliveras:Eddie Palmieri、そしてManny Oquendo & Libreのヒット。元はDaniel SantosがLos Jovenes del Cayoで歌った曲とか。 ![]() 4. Alma, con Alma by Wichy Camacho:フアニート R. マルケスのボレロ。♪Todo lo que suen~o es tan dulce, Tan Dulce como Tu.♪美しい。Ray Barrettoの "The Message" (1972)に収録のヒット。 ![]() 5. Sen~or sereno by Darvel Garcia:イスマエル・ミランダの作品。 1972年、ラリー・ハーロウのヒット作 ![]() 6. La Cartera by Darvel Garcia:アルセニオ・ロドリゲス作。 Orq Harlowのアルバム"Salsa" (1974) からのヒット。歌はJr.Gonzalez。 ![]() 7. Arin~an~ara:チャノ・ポソ作のスタンダード。Joe Cuba "Diggin' the Most やTito Puenteからスパニッシュ・ハーレム・オーケストラまで、NYでは定番のひとつ。 ![]() 8. La puerta - Estar contigo:ボレロとは居え、こういう曲もサルセーロであろうと「基本」としてあるのが、サルサが「歌」であるという一面を表している。トリオ・ロス・アセスの大ヒット曲、ラ・プエルタは個人的に大好きな曲。 ![]() 9. Fuerza gigante:レイ・バレット の作品"Giant Force" (1980)のヒット。 ![]() 10. Pa bravo yo by Herman Oliveras:イスマエル・ミランダの曲。しかし何と言ってもフスト・ベタンクールのお約束の曲と言わないと。 11. Llanto de cocodrilo by Tito Allen: ![]() 12. Guancona by Tito Allen: ティト・プエンテの作品。 ![]() 13. Ahi na'ma by Frankie Vazquez:これも定番。 ![]() 14. Trucutuby Frankie Vazquez:チャマコ・ラミレスの抜群のスイング感が自身の曲で冴え渡りトミー・オリベンシア結成以来の名曲となったこの作品。プエルトリコのライブではみんなよく取り上げる。(例えばカノ・エストレメーラ)みんな歌いたいのだ。マーク・アンソニーも。チャマコ・ラミレスは偉大です。 ![]() 15. Quitate la mascara:アダルベルト・サンティアゴの大ヒット、お約束の曲ですね。 ![]() 16. Lluvia : アダルベルト・アルバレスの曲だが、言うまでも無くウイリー・ロサリオの"Nuevo Horizontes"からの大ヒット。トニー・ベガとヒルベルト・サンタ・ロサの火花散る時代の名曲。 という感じで、みんな楽しいから気合も入るライブになったんだろうなぁ。 ◆Bobby Valentin/"Evolution" (Bronco 176) ![]() CDとDVDが表裏に一枚になったDual Discで映像も楽しい(しゃべりは全編西語ですが)。Julio LopezとAlberto "Kriptony" Texeiraの2人の若いカンタンテをフィーチャーした新作は、バレンティンらしい分厚い音。ハードなアレンジがスイングする。 ボビー・カポ("El Cucu", "Piel canela")、ロベルト・アングレロ、ラウル・マレーロと言った名コンポーザーの曲もちりばめ、ベテラン、レイ・デ・ラ・パスも参加するばっちりサルサな前半と、バレンティンのもう一つの面のジャズ、R&B、ファンクの香り充満した後半と2つの面が楽しめる。 ボーカルの一人クリプトニーは、ポッと出の新人でなく、ボンバが好きなら知ってる、Grupo Escenciaで歌っていた若い才能。ちょっとラファエル・デ・ヘスースみたいな面もあったり良いですよ。4曲目の"Que me digan feo" がマイアミ、シカゴ、LAなどでもヒット中。そしてロベルト・アングレロの"Hace tiempo que te estoy mirando"が良い。この良曲をしっかり歌い切っている。 Julio Lopezもこれからが楽しみ。 それからゲストのレイ・デ・ラ・パスの歌、これが若い2人の歌と対照的にしなやかな親爺の色気で大変良いです。DVDでも「ちょっと甘みを加えに来た」なんて言ってるけど、当りです。 そして後半9曲目からがらっと色が変わる。バーニー・ウイリアムスのギターやパオリ・メヒアのコンガも加わりジャズ、R&Bなどグルーブ感が強くなる。 イントゥルメンタル("Four plus two")は単にラテン・ジャズと言っては伝わりきれない。そして"Si-Si, No-No"は、メレンゲ/バラーダで個人的に一番好きなジセルの歌が効果的。クールとホットの同居するラテンの大人の色っぽさ。ブガルー的70年代NYラテン・ロック、ラテン・ファンクの香りにバーニーのギターが絡む。 バレンティンはこういうの両方やりたいんだなあ。 (Part 3 に続く) さて、「Salseando」の元ネタですが El Swing はアレンジ元は92年のAndy作でアレンジbyルイスガルシアですが、楽曲としては言わずと知れたグランコンボの66年「El Swing del Gran Combo」の大ヒット曲ですね。CDでは作者がガルシアになってますが彼はアレンジだけで作者はIthierですね。 Que Humanidad はアレンジ元はやはりHermanが唄うLibreの83年(?)作の「Sonido,Estilio Y Ritmo」からですね。ベニモレもやってませんでしたっけ? La puerta - Estar contigoはJimmy Sabaterの唄うJoe Cuba を意識してますね。 そしてAhi na'maと TrucutuはともにFrankie Vazquezが唄うLos Soneros del Barrioのアレンジを元にしてます。 Trucutuは言わずと知れたナンバーですがAhi na'maはCortijo y su Combo con Ismael Riveraの「Ritmos Bailables」 (Marvela MVLP 93)たぶん60年頃がオリジナルですね。オリジナルではエディペレスのキレたコロとIthierのピアノソロがたまらんです。 で、Trucutuは62年作。 そうなんです!なんと60年代前半には既にプエルトリコにサルサがあった、というわけですね。NYがパチャンガとデスカルガに明けてくれていた頃にプエルトリコはサルサであった、と。 で、 Lluvia ですが、これはさすがにレイ・デ・ラ・パスが唄うわけですからアレンジ元はRayとLouieRamirezの「Con Cache!」(83年だったかな?)です。RayとLouieのスタジオバージョンではこれまた7分強の長尺ですが、パポペピンのコンガソロがスゴイです。 こういったオリジナルやアレンジ元を聴き比べていくとその曲の楽しみ方も拡がると思うので、いかがでしょうか? オヤマさん:違うバージョンを聴くのも楽しいですね。原曲のイメージ(特に出だしとかサビ)が強いと歌手がそれをレスペクトするのか、自分の感覚で歌うのか、違うバージョンを聴くことで歌手の個性がはっきり見えたり。
ライブであればソネオ/モントゥーノ部分は当然異なるから、ここも聴き所ですし、何よりリズムのドライブ感みたいなものや、歌手、ソロの盛り上げの白熱感の違いも比べちゃいます。オリジナルから新バージョンを聴いても、今のバージョンから戻っても色々楽しめますよね。 元バージョンを良く知っている地元のサルサ・ミュージシャンやファンはその違いを捉える良い耳を持っているので話しをしていて楽しいです。 El SwingとQue Humanidadの元ネタの件、ありがとうございます。旅先で書くと資料が甘くなりますね。差し替えました。 Trucutuの音を62年に作ったオリベンシアはほんと素晴らしいです。そしてコルティーホも。NYのサルサ開花以前ですからね-。 |
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