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2010年 06月 06日
ジョー・バターン / Joe Bataan@アサヒ・アートスクエア June 5,'10
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銀座線でダウンタウンの銀座から北へ。神田あたりを境にムードが変わる。NYの4・5・6番なら96丁目って感じ。とすると飾らぬ下町浅草は116から125丁目?駅を出た先には、ハーレム・リバーならぬ隅田川。

川を渡って開演チョイ前のアートスクエア前は当日売りを待つ列。横をすり抜けてホールへ。オール・スタンディングのフロアに入るとなにやらにーちゃん、ねーちゃんって風情多し。クラバーっつーのともちょっと違う。空気にエネルギーがたまっている。良い感じ。

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がっつりと不良なNYラテンがかかる中、まずビールで渇きを止めてフロア真ん中へ。タフで、でかくて、かっこいい!に―ちゃんたちの一群。あのアッパーのロゴは北の国のローライダーの男達。ビール片手にめちゃ熱い。

やばい、やばいよ」「もう、声でねー」「おれの気持ちわかってくれっか」「生バンドでジョーだぜ」あぁ、そうなんだよぁ(涙)。


ステージにメンバーが現れる。リズムが動き出しMCのチャーリー宮毛がイントロダクション。
にいちゃんたちの興奮高まる。「あー、おしっこもれそう」「やべー、うそだろー」
周りを見るとみんな同じ目でステージを見つめてる。あ、自分もか。


来た!ジョー・バターン

赤のジャケットをスポットが照らす。フロアから強力な圧力の歓声。ついに来たぞぅ。

「Good Everning, Tokio!」
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◆◆◆
あとはひたすらジョーの世界に浸るのみ。

3曲目「My Cloud」の出だし "Thank you Lord for cloud you made me・・・"で一挙にソウルの甘い世界へとパンチを喰らい、「When Sunny Gets Blue」"でスイングに感電。

The Prayer」でロー・ライダー組、ひらすら泣き。こちらも泣き。彼ら、つれあいとしっぽり。

Subway Joe」はフロア爆発!

Puerto Rico Me Llama」はピーター・"チャッキー"・キンテーロが歌を受け持ち、バターンとイヴォンヌがコロ。マサ・池田のトロンボーンが吠える。さすが、80年代ジョーと共演したツワモノ。パンチがベビー。

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メンバーは:
ピーター・"チャッキー"・キンテーロ/Peter "Chuckie" Quintero Jr.(timb)
イヴォンヌ・ニトジャノ/Yvonne Nitollano(coro)
マサ池田(tb)
ウィリー・ナガサキ(conga)
田中哲也(tp)
塩川光二(t.sax)
佐藤誠(g)
あびる竜太(p)
北原実(b)
ジーン重村(ds)

・・・・

曲目はうろ覚えだけどこんな感じだった気が。

1. LATIN STRUT
2. GOOD OLE DAYS
3. MY CLOUD(from Singin' Some Soul")
4. WHEN SUNNY GETS BLUE
5. ORDINARY GUY (AFROFILIPINO)
6. I WISH YOU LOVE (Part 2)
7. THE PRAYER
8. SUBWAY JOE
9. RAP-O CLAP-O
10. PUERTO RICO ME LLAMA
11. CHICANA LADY(SPECIAL GIRL)
アンコール: LATIN STRUTで登場
12.GYPSY WOMAN

◆◆◆

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ジョーの浮遊感のあるスモーキーな声は健在だった。いや、艶を増していたのが驚き。
68の親爺なんだよなぁ。ああでなくちゃ。不良性の色気とイナセなかっこよさ。
それはやっぱ"Ordinary Guy"なんだと思う。


レギュラー・メンバーでない為の小アクシデントもあったけど、ジョーが観客の反応を見ながらバンドをコントロールしてゆく様は、単に「プロの仕事」とまとめるより、コミュニケーションしてなんぼという場数とジョーのDNA。即興の歌詞でNYと東京、リズムとダンス、感謝と語りかけを織り込んでゆき歌で会話をする。曲順もその場で指示してた。


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あと、自分にとって楽しかったのは、ジョーがいじるリズム。同じ曲の中でサルサなクラーベ、ソウルなオフ・ビート、ブガルーな8つ打ちとクラップを変化させていくのに、フロアが何の違和感もなく手拍子や"ゆれ"で反応していった事。

多分フロアにはサルサ的ラテン、ソウル的ラテン/ラテン的ソウル、チカーノ的ラテン、'80ラテン・ディスコ、ダンス・ジャズ/クラブ・ジャズ、レア・グルーブ・・・といろんなバック・グラウンドのファンが来てたと思う(ラベルの貼り方は適当)。

ジョーの音が色々な物を含みつつ、彼にしかない個性で出来上がっている点に強いレスペクトがあるから、垣根など関係なくあるがままにリズムを飛び越えていくのだろう。

◆◆◆

フロアにはサルサを愛すると共に、いろんな音楽の話をフラットに出来る友人たちがたくさん来ていた。終わってからも冷めやらぬ気分を鎮めるもう一杯とステップと会話と笑い。


至福の一夜。
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by mofongo | 2010-06-06 23:59 | Musica
2010年 06月 01日
夏のフィエスタ・パトロナレス
あー、夏がなんとなく見えてくると、プエルトリコの夏のイベントが色々頭に浮かんできます。

学校はもう7月には休みに入ってるから、海岸では若者向けの週末イベントが目白押し。ウマカオ、アティージョ、マナティ、マヤグエス、ポンセ・・・。
ビーチ・バレーやらサーフィンやら、そしてライブです。レゲトン、サルサ、メレンゲ・・・・


FM局やら飲料会社やらの大スポンサーの付く大きなイベントの一方で、昔からの各々の町のお祭り、『フィエスタ・パトロナレス』も楽しまなきゃ。

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フィエスタ・パトロナレスは、その町その町の守護神のお祭りなので、その町によって期間が異なります。1年を通して行なわれるけど、7月であれば、こんな感じ。









7/9(金)-7/11(日)アロージョ(Arroyo)、シドラ(Cidra)、アティージョ(Hatillo)、モロビス(Morovis)

7/16(金)-7/18(日)ビエケス(Vieqes)、バルセロネータ(Barceloneta)、カターニョ (Catan~o), アドフンタス(Adjuntas)

7/23(金)-7/25(日)
アイボニート(Aibonito)、ファハルド (Fajardo)、グァニカ(Guanica)、 サンタ・イサベル(Santa Isabel)、サン・ヘルマン(San Germ?n)、そしてロイサ・アルデア!(Loiza Aldea)

フィエスタ・パトロナレースではないけど、夏の定番のお祭りもあるよ。

7/2-7/4 サン・セバスチャン (San Sebastian)のハンモック・フェスティバル (Festival de Hamaca)、そしてアイボニート(Aibonito)のフラワー・フェスティバル(Festival de las Flores)。ここはきっとヒバロが聴けるね。

しかし、どこもサン・ファン近郊じゃないから、遊びに行くには、レンタかなあ。住んでないとちょっと道が不案内かも。

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Fiestas Patronales De Carolina 2009 のTV CMをYouTubeで見る




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Yabucoaの超ローカルなフィエスタで歌うCano Estremera "Trucutu"をYouTubeで見る。

Canoのソネオが好きなんです。Trutucuに合わせ"U"で韻を踏んでいる。Pikachuまで取り入れるとは!

あー遊びに行きたいなあ。
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by mofongo | 2010-06-01 01:42 | Musica
2010年 05月 23日
プエルトリコ国会議事堂に24時間"爆弾"
"Bomba" en el Capitolio por 24 horas"という新聞の見出しをWebで見て、やば!テロか!と記事を見ると、なんだ"爆弾(Bomba)”じゃなく、音楽のボンバ(Bomba)でした。ほっ。

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リーマン・ショックもあり、プエルトリコはここ2-3年ほどずっと不況で、教師削減、公務員削減、補助削減とか来ていて、最近プエルトリコ伝統の音楽、ボンバ、プレーナ、トローバ(ヒバロ音楽)などへのサポートを10分の1に削減しようっていう法案が提出されたり。

それに抗議して、議事堂前で24時間マラソン・ボンバが行なわれているって記事でした。
あのクソ暑い議事堂前のスペースで24時間とはすごい。Viento de Aguaのエクトール・ティト・マトスのグループのメンツらしい。

YouTubeで24時間・ボンバ抗議を見る
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Musicos borikuas defienden su cultura a bombazo contra los politicos abusadores
http://www.youtube.com/watch?v=7D8Bi0PctHE

10分くらいの映像で、8分くらいからクアトロとフルートがボンバに参加。これがなかなか良い。こういうのやりたいなあ。

クアトロはマリベル・デルガドですね。上手い。曲は定番"アギナルド・ヒバロ".


プエルトリコで何かを訴える時には音楽、特にボンバやプレーナは欠かせない。


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これはビエケス問題の時のプレーナ。"Que Bonita Bandera"

http://www.youtube.com/watch?v=Zfxe-Vqj_90


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2008年大統領選でオバマ来島の時のテーマソングはプレーナ系。
http://www.youtube.com/watch?v=y8Dzt402rMQ



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一方、ヒラリー・クリントンはレゲトン
http://www.youtube.com/watch?v=BH3K5-CKFho


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これは去年の教員予算削減に対する抗議デモ。プレーナ
http://www.youtube.com/watch?v=YImUQG9G6kQ




今日偶然、「辺野古節」という歌を教えてもらいました。

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辺野古節 -ソウル・フラワー・ユニオン Soul Flower Union
http://www.youtube.com/watch?v=NJOyg6Fc518
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by mofongo | 2010-05-23 13:43 | Musica
2010年 05月 16日
エリアネス・ジャネス追悼ライブ@江古田Buddy
エリアネス・ジャネスに初めて会ったのは一昨年の夏だった。

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友人の東京大学教養学部教員の石橋純さん(最近出版された『中南米の音楽(東京堂出版)の編者としてご存知の方も多いと思います)が紹介してくれた。



ジョルダーノ(ベネズエラのスター歌手)のバンド”セクシオン・リトミカ・デ・カラカス”のメンバーで、自分の好きな作品「Jugando Conmigo」のドラマーだった事を知り、そこからベネズエラの今の音楽と伝統の音との話に移ってとても面白かった。ダイナミックなところと繊細な所を両方持ち合わせた彼の話は、音楽に対するエネルギーにあふれていた。

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そして何より驚いたのは現地での活動の合間に日本に和太鼓の修行に来ているのだと言うことだった。

<鼓童>のベネズエラ公演で和太鼓に魅せられ、親友である石橋さんの尽力をもって93年初来日し、渡辺洋一さん率いる日本を代表する和太鼓集団<天邪鬼>に入門。

95年に次いで3回目の日本だと言うことだった。

◆◆◆


その彼が本年1月、56歳の若さで急逝したと連絡を受けた。実感が湧かなかった。あのエネルギッシュな彼が・・。

そして、石橋さんを中心とするラテン側と渡辺さんの和太鼓側とがジョイントで追悼ライブを行うと言う。

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自分の背景にある音楽をしっかり持ちつつ、和太鼓という自分の文化でない音に情熱的に魅せられた彼。その中で理解、習得、演奏して行く事の楽しさ、苦しさ、幸福さをエネルギッシュに語っていた彼。

たった数時間の飲み会での出会いでもらったメッセージは考えさせられ、共感する所が大きかった。


ラテンでもサルサでもジャズでもロックでもクラシックでもいいけど、日本以外の文化を背景とする音を日本人が愛し演奏する事って結局何なんだ?それを受け入れる地元側の受取り方やその"異邦人"への関わりはどうなの?とかいう事が頭によぎるからです。


エリアネス・ジャネスという人を愛した人たちが追悼に発する音はそんなことも話してくれるような気がして江古田のBUDDYに向かった。

◆◆◆

当夜のメンバー(敬称略)は、石橋純(vo/cuatro)岡本郁生(b)小川ひろみ(和太鼓)澤田勝成(津軽三味線)鈴木裕子(p)、田中孝吉(dr)、モリス・レイナ(vo/g/cuatro)、渡辺洋一(和太鼓)

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ラテン側は、石橋、岡本、レイナ。それ以外は渡辺さんを筆頭に和太鼓側からの演奏者。

一曲目は全員で「コーヒールンバ」。言うまでも無くベネズエラのウーゴ・ブランコの曲。そしてエリアネスの属したアドレナリーナ・カリーベの「身を任せて」、「ベサメムーチョ」と続く。和太鼓の渡辺さんのスペイン語の歌も良い感じ。小川さんもベネズエラン・マラカスを振る。滑り出しはリラックスしたムード。

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ここで和太鼓チームに。澤田さんの津軽三味線の魅力たっぷりの曲。

そして小川さんと渡辺さんが加わる。小川さんは大太鼓に念を込めるような緊張感があふれる音。美しい。

田中さんは「キャラバン」。澤田さんがピアノとメロを取る。澤田さんの三味線の音は、パーカッシブな迫力と繊細な哀感のようなものが同居する。

ここで、ラテン・チームに。





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石橋、岡本、レイナのラテンユニットでは石橋さんは「エロルサの祭り」。ジャネーロ・ホローポ/パサーヘで宇宙へ旅立った魂を悼み、レイナさんのクアトロの独奏へ。

津軽三味線に挑発されたかのような激しさと繊細さの同居。6/8と3/4が交錯。クアトロから出るダイナミクスに圧倒される。

そして石橋さんの「津軽山唄」、「ソン・デ・ラ・ロマ」と続く。リフレインでモントゥーノ的にスペイン語と日本語でエリアネスへの思いを歌いこむ。


再び日本側に戻り、渡辺さん登場。スリーディグリーズの曲ともう一曲、そして「曼荼羅」という曲。

大太鼓を真ん中に締太鼓、平太鼓やタムが並ぶ。小川さんとの和太鼓のリズムの合わせがとても面白い。

ラテン組の演奏の時に「なぜ我々は通称"一本締め"(よーーっ、パン、というやつ)という、不思議なリズムの合わせをピタっとと出来るのか」と言う石橋さんの話があったが、一定のパルスが常に体内にある、アフリカ系のリズム感覚との違いはとても不思議だ。

それは普段、盆踊りの炭坑節の譜割りとか、地元の某音頭のメロの譜割りと踊りの譜割りのズレとの感じを不自然と感じない、パルスとは違う、時間の割り方・割られ方・括り方と重なる。パルスで合わすのと異なるリズム感覚。

まあヨタ話だけど、メセニーのメロディーを真ん中にして拍子が次々に変わる譜割りとか、同様の中近東の音とかとのサブサハラ・アフリカ的でない音との共通点を思ったりもする。

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途中からドラムが8ビートを叩き出し、その上で太鼓がフレーズを紡ぎだす。そしてそれから切り替わってドラムがリードしない形に。

渡辺さんの音には和太鼓としての音と、それから自由に広がり時にはラテンにも聴こえるフレーズが飛び出す。しかしスウィング感というかタイム感などはラテンと異なり、そこがとても面白い。

そして全員がステージに上がる。渡辺さんののリードによる、ラテン的に言えばデスカルガ。

大太鼓の2発の響きからスタートした「魂の遭遇」という曲。

エリアネスを悼む気持ちを音を発することで表そうとした演奏者が集まったこの最後の曲では、彼の地ベネズエラの背景を強く持った音と、我が地日本を強く感じる音、そしてその間で2つのポジションを自由に行き来する音がめまぐるしく飛びかった。

それは一曲の中でも数小節、いや数拍の間でも色合いが変わった。

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それは"Fusion"や"Mix"と言った「混じり合った」音ではなく、各々の自分の音を真っ直ぐに発する中で、個々の音がその場の耳で相互に影響するものだった。「行き来する」感覚。それがとても自然。

それは、エリアネスを追悼・送る為の曲というより、彼と一緒に演奏をしているような感覚。日本式の「太鼓歌/タンボール」を一緒に奏でる事で、彼との最後の共演を果たしていたのかもしれない。


◆◆◆

ステージが終わり、改めて「異文化音楽問題」を考えてみたが、結局答えは出ない。でも、オーセンティックな音を、真っ当に追求すれば/しても、真っ当に精進すれば「自分の音」にたどり着ける/着いてしまう、のではないかと思った。

その結果は玉になるか石になるかは分からないし、玉にするのは簡単でないだろうけど、真っ直ぐやるしか面白いものにならないだろうなあ、というバカみたいな感想が浮かんだのだった。
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by mofongo | 2010-05-16 12:11 | Musica
2010年 04月 29日
ペーニャ・ハラナ/アフロ・クリオーヤ・デ・ペルー LIVE
目黒のCAFE Y LIBROS
http://www.cafeylibros.com/index.htm

"Dia del Peru/ペルーの日"と言う事でこの日は 午後2時からペルーの文化、歴史、観光、軽食、日西バイリンガル児童書紹介 「日本とペルーの111年」についての講演と続き、夜7時からは:

「ペルー音楽の魅力IV: ペルーの日系人スターと、日本のペルー人音楽家」 というタイトルの下、ペルー音楽研究家の水口良樹さんの講演と水口さんもメンバーであるペルーのアフロ・クリオーヤ音楽を演奏するグループ"ペーニャ・ハラナ"のライブがありました。

http://www.muse.dti.ne.jp/~cyqirque/

ペルーもこれまた面白い音楽満載の国で、海岸地方の黒人系の音楽あり、山の方では白人系のクリオ-ヤ音楽ありとすごく豊か。こりゃ楽しそう!なんつったって水口さんですから。

◆◆◆


まず講演の部は、日本からペルーへの移民略史を導入部に、ペルーの日系音楽家のスターたちの紹介がスタート。


その土地、土地にある音楽に対する感性ってDNAなんだろうかそれとも育ちなんだろうか?って時々思います。

日本の音楽でない「洋物」を演奏する事が殆どの自分は、はたして「オーセンティック」な事を本当に理解してるんだろか?とか。

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しかし、自分の前に座った多分ペルー人のグループの人が、水口さんの紹介したアンヘリカ・ハラダ・バスケスさんやセサル・イチカワさんが歌う映像を見て「あ、これ知ってるよと」連れの人に話しかけメロディーを口づさんでいるのを見ると、DNAも育ちも含めたその人の総体的な感性なんだなと思いました。

ワイノからクリオーヤからポップスからボレロまで、色々な分野で活躍しスターとなった日系の人たち。同胞の人たちの活躍をうれしく思う心って当たり前かもしれないけど、何なのでしょうかね。



そして、在日ペルー人の音楽文化についての紹介。ロス・カリブレスからディアマンテスのアルベルト・城間さん、そしてフェルナンド・ロシさんと続く。

自分の国を離れて暮らす移民という立場の話はプエルトリコに住んでた時、本当に何度も何人からも聞いた。自分もそのときは(だいぶ恵まれていたけど)自国から離れて暮らす立場だったから、気持ちがよく伝わってきた。

好きなプエルトリコのサルサやNYでのプエルトリコの人たちの文化の事は自分のテーマでもあるし、それは移民の事抜きに考えられるわけもなかった。

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日本にもたくさんの外国人が住んでいるけど、外国に住む外から来た人の受け入れられかたと比べると、なんとも考える事が多い。
水口さんの講演を聴いて、友人であり、敬愛する素晴らしい弁護士、ななころびやおきさんの書かれた本『ブエノス・ディアス、ニッポン―外国人が生きる「もうひとつのニッポン」』のエピソードを色々思い出した。



◆◆◆

さて、時間は8時を回り、いよいよライブだ!
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一曲目は北部風マリネラ「エル・スエニョ・デ・ポチ ~ ウアケーロ(墓泥棒)」で楽しくスタート。各メンバーがペルーの色々な民族衣装をまとっているのも、これまた楽しい。

二曲目はバルス>。「ヨ・ペルディ・エル・コラソン」。泣きが濃い、との解説でスタートしましたが、まさにBurujaさんのボーカルの泣きはよかった!
エバ・アイジョンが歌うので知った曲ですが、彼女のバージョンよりもっと泣いた方が良いなあと思いました。

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三曲目のフェスティーホエル・マジョラル(奴隷主)」というタイトル。もとをさんのぶっとい声から、ねえなさんがカホン叩きながら歌うパートへとなだれ込む。

パパさんの小型のカホンとおかるさんのカヒータ、Burujaさんのカウベル、そしてねえなさんのカホンから叩きだされるハチロクは心地よい。手拍子打ちながら体がうずうずしてくる。

四曲目はルイス・アベラルド・タカハシ・ヌニェスさんの「2つの幻想/Dos Ilusiones」。とても心を打つ曲。タカハシさんは日系2世で1927年北部のコスタに生まれた方。ペルーで多くの作曲を行い大作曲家として活躍され、晩年は日本で暮らし5年前に亡くなっている。日本と言う自身の血の繋がった国に来くる事と、同時に自分が生まれ育ったペルーを離れる事への思いが同時に心の中にある曲。

心は2つの場所の間にあり、時間という一方向にしか行かない世界の中で、後ろを抱えつつ前に進んでゆく姿。

これは以前 LOS CALIBRESの「君を忘れない」を聴いたときにも思った事。自分は2つの国の間で生きてる訳ではないけれど、人は皆、時間の中では、自分が過ごしてきた掛けがえの無い時間を持ちつつ前を見て生きている。それが故郷への強い思いを含んだ歌を聴くと切なくも強いエネルギーを貰う気がするのだ。

五曲目の「カルパス・デ・アモール ~ トンデーロ」 ではトリステのBurujaさん、なづさんの2つの声の個性の間で詞が受け渡されて、そして後半のトンデーロの激しいパートへと繋がってゆくところはとてもかっこいい。

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そして次はおなじみの「トロ・マタ」。さすがにステップを踏んでみたくて足がむずむずしていたら、ペルー人の方が「椅子どけて踊ろうよ」って皆に声を掛けてくれた!ステップというか乗り方が面白い!全然できなかったけど。

そして最後は「マニャーナ・ポル・ラ・マニャーナ」。マリネーラ・リメーニャです。楽しい。

会場はテンション上がって、もちろんオトラ!です。ワイラス!あ、クラリネットが出てきた!バイオリンも!そしてピアニカにマンドリン!盛り上がりました。

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しかし、ペルー軍団は手を緩めない。「カルナバルの音楽を!」という声。ここで泣けるのは水口さんが「ちょっと待って下さい。今、車から楽器を取ってきますから」と飛び出していった事。にこにこしてパン・フルートを持ってきた。

この楽器なしでも形だけは出来たかもしれないが、この妥協なしの音楽バカ(すみません!)は素晴らしいですね。みんな輪になって踊りまくりでとうとう時間が来てしまったのでした。

楽しい夜。出張の疲れなんてぶっ飛んでしまいました。
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by mofongo | 2010-04-29 01:32 | Musica
2010年 03月 28日
ミシェル・カミーロ&チューチョ・バルデス@Bluenote 10.3.25
言わずもがな、二人ともうまい・速い・ラテンという冠が良く付くアーティスト。今まで別々に何度も聴いて来た二人が一緒にやると異なる個性がどう出てくるのか、技術の上にある二人の個性をもっとはっきり聴きたいなぁ、なんて所を楽しみにしていた。

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ブルーノート初日のセカンド。席はチューチョの背中が良く見える所。

ゆるりと始められたマイナーな一曲目。 "La Comparsa"だ。 1912年、エルネスト・レクオーナが弱冠17歳の時の作品『Danzas Afro-Cubanas』の中の一曲。チューチョの作品でも"En El Teatro Colon"や"Calle 54"でも取り上げられている。

テーマのモチーフがラヴェルの様に、そしてドビュッシーの様に展開されたあと、左手はレクオーナの演奏そのままのダンソン風のパターンが奏でられテーマに入る。かなり頭を食って入ったので、既にワインで酔っ払い気味のアタマが一挙に緊張した。









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長調に展開するテーマは古き良きキューバの香りがして好きなメロディー。

カミーロもぴったりつけてくる。そしてテーマが1周したあとは、カミーロがジャージなメロを出し、チューチョがすぐ追っつけて展開。リチャード・ティーを連想するようなリズミックなパターンからすぐ、クラシカルなフレーズに引き戻し、高音域からの逆落とし。カミーロが下からチェイスをかける・・・と言った具合。楽しんでいる風。しっとりとレクオーナに敬意を表すようなテーマに戻るという緩急自在のプレーのスタートだった。




二曲目はバラード。かわいらしいメロディーとロマンチックなコード進行、そしてそこを時に高速で駆け抜ける。あ、なんだっけ?この曲。えーと、あ"El Dia Que Me Quieras"だ。レクオーナやガルデルと言ったラテンの先輩へのレスペクトを感じる選曲。二人はひたすら素直でキュートな音を重ねる。

そして高速なリズムパターンに不穏なメロディーが乗る。なんだ?あ、"Caravan"だ。出たぞ早弾きの応酬。ファン・ティソールの書いたこの曲の前半はモード的で自由度が高い素材。二人は好きにぐるぐるかき混ぜて遊ぶ。

途中からハーフテンポに落としてスウィングに、そして元に戻したり、ファンキーなベース・パターンと遊んだり。
そんな早弾きアドリブを聴く楽しみは、2人の間がフッと空く一瞬。お互いに瞬時に反応し次のパターンを突っ込んで行くから。思わず耳が開く。盛り上がりの中でカミーロは速度とジャズ・イデオムで走った一方、チューチョがやわらかでクラシカルなラインを選んだ瞬間があった。こういう違いが楽しい。

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次はスローな哀感のある曲。カミーロのソロか。えーと、この曲は聞いたことあるぞ。たしか彼のブルーノートのライブに入ってたオリジナルだ。("Twilight Glow")。



静かに終わったソロのあと、アップテンポのマイナーなインプロからスタート。この進行はおなじみ"枯葉"だ。2人ともまっとうなソロが続く。片方がウオーキング・ベースをカバーしたりコードでドラム・フィル的な突っ込みしたり、と受け渡しが続く。

フレーズやリズムのイデオムには特段ラテンなものはないし、大きくアウトしてゆくこともない。だけど執拗な畳みかけやタッチの中に生まれる波みたいなものこそが彼らの一流のラテンだよなあ、とか思う。




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そしてディジー・ガレスピーのブルース"Birks Works"。ちょっとモンクを思わせる重ね方。ブルージーに進むかと思えばワン・コーラース全部同音のトリルで通すような圧迫のチューチョ。サンドバルの高速ハイノートでの正確なタンギングでのロング・フレーズを連想してしまう。そんな時カミーロは邪魔しないけど個性的なバッキングで対応。面白い。


この後あたりからよく曲順を覚えていない。ワインも手伝って音の中で良い気持ちになって来た。
チューチョのソロもあり(スタンダード風のコード進行だが曲目思いつかず)、高速ブルー・ボッサあり。

高速ブルーボッサは枯葉と同傾向のからみ。でも進行がもっとシンプルなだけに、フレーズにリズムの遊びが増える。ハーフテンポに落として、モントゥーノのフィールをちらつかせてくれたり。


ここでラザロ・リベロ(b)、ホァン・カルロス・ロハス(ds)、ジャロルディ・アブレウ(conga)が加わる。

マイルスの"Solar"だ。早いジャズ/ラテン・フィールで走る。リベーロのソロではドラムがルンバ・クラーベを入れてくる。
ジャロルディーそしてロハスのソロ、受け渡しは楽しい。会場はとても盛り上がった。お客さんは満足。

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最後は二人でBesame Mucho。これはひたすら落ち着いた熱情。しっとりと結びました。

◆◆◆

終演後、友人たちと「すごかったね」と話しながら、それは何なのか考える。それは高速でのインタープレイの迫力とか面白さ、見事さ自体よりも、それを緩めた時にふっと出てくる個性、チューチョのセルバンテスからレクオーナにつながるようなキューバの香り、そしてカミーロの硬質なジャージーさとラテンの甘みの溶け合いみないなものに思えた。

それは結局二人の個性の違いの部分より、ジャズのイデオムをたっぷり使いつつ"スウィング"とは縁の遠い彼らの音楽の共通点、ラテンであることを一番楽しんだ気がします。



酔っぱらって帰る頭にラ・コンパルサのメロディが回ってた。
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by mofongo | 2010-03-28 01:18 | Musica
2010年 03月 25日
新刊『中南米の音楽---歌・踊り・祝宴を生きる人々』
今月30日に中南米の音楽が好きな人には注目の良い本が出ます!
おすすめです!

石 橋 純 編
『中南米の音楽---歌・踊り・祝宴を生きる人々』
東京堂出版●定価(本体1,800円+税)
ISBN978-4-490-20667-8 C0073
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内容はこんな」感じ

%%%% オビ・コピーより %%%%

音にあふれる【祝祭の大陸】を読む

サンバ,タンゴ,「コンドルは飛んでいく」,「コーヒールンバ」だけじゃない。陽気なダンス音楽の歌詞に鋭い批評がこめられる。生活の喜びと悲しみをリズムとともに表現し,音楽を通じて社会変革を夢見る。多民族・複数文化が共存・共鳴しあう音楽大陸=中南米。その歴史をひもとき,現場の鼓動を伝える。達人9名による鮮烈な案内書。

中南米の人々が音楽を「生きる」姿を,現地における調査・研究・演奏・制作に精通した専門家が,幅広く,奥深く紹介。

[目次より]
第1章●概説・中南米の音楽――その歴史と特徴[石橋 純]
第2章●サルサと北米ラティーノの音楽[岡本郁生]
第3章●米墨,ボーダーランドで鳴り響く音楽[宮田 信]
第4章●キューバの音楽をめぐる継続性と断絶性[倉田量介]
第5章●ダブ――南国ジャマイカ発の人工的音響[鈴木慎一郎]
第6章●ベネズエラ――更新されつづける伝統[石橋 純]
第7章●ペルー大衆音楽の発展略史[水口良樹]
第8章●ボリビア音楽――その歴史と地域性[木下尊惇]
第9章●ムジカ・セルタネージャ――ブラジルの田舎(風)音楽[細川周平]
第10章●鉛色時代の音楽――独裁政権下のアルゼンチン・ロック[比嘉マルセーロ]

国際交流基金企画「異文化理解講座」より

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オビのコピーにあるようにこの本はもともと2006年の5月から7月、そして2007年の1月から3月、国際交流基金企画「異文化理解講座」より生まれたものなのです。

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ベネズエラ研究の第一人者、東京大学教養学部の石橋純先生が世話人となって行われた講座で、僕も毎回楽しみに受講というかお話を聴きに行ったのでした。いやお話しだけじゃなくて、当然音も聴かせて映像も見せて、時にナマ演奏も入るという贅沢な企画。

すごく面白かった。そして友人の岡本さんが誘ってくれたおかげで、毎回講座の後の飲み会にも参加して、その場の濃い話の素晴らしかったこと。講師の方はその道の「達人」であるとともにその音楽と文化を愛しているわけです。そしてそれと同時に自分の知らない/詳しくない音楽に対するレスペクトと好奇心がとってもある。だから自分の回でない時ににも参加され、飲み会でいろんな話をするのです。セルタネージャとホローポとワイノとサルサを横一線でワイワイ話すのです。自分もサルサやボンバ・プレーナ・ヒバロで加わったりできたのも楽しかった。

ちょっと筆者を自分の知っているレベルでご紹介します。
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石橋純さん は東京大学の先生でベネズエラ研究の第一人者。ベネズエラのクアトロも弾いちゃったりする方です。著書には『熱帯の祭りと宴』(つげ書房新社)、『太鼓歌に耳をかせ』(松籟社)、『カリブ・ラテンアメリカ音の地図』(音楽之友社)などがあります。最後の本は、僕も書かせて頂いてたり。



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岡本郁生さん は、『ラティーナ』誌の連載や記事、CDのライナーや各種雑誌の記事でご存じの方も多いと思います。新宿のやくざも道をあけるドスの効いたダンディーさですが、FM番組の制作を本業とされてます。著書には上の『カリブ・ラテンアメリカ音の地図』(音楽之友社)や『米国ラテン音楽ディスク・ガイド50's-80's』 (リットー・ミュージック)などがあります。

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宮田信さん はインディペンデント・レーベルMUSIC CAMPを主宰されている音楽プロデューサーで、チカーノ文化・音楽に関してはこの人をおいていないと断言します。『Music Magazin』、『Remix』、『ローライダー・マガジン・ジャパン』などによく執筆もされていて『カリブ・ラテンアメリカ音の地図』(音楽の友社)にも書かれています。

倉田量介さん は東京大学の講師をされていて文化人類学やポピュラー音楽研究をされています。

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鈴木信一郎さん は信州大学の先生でジャマイカを中心にカリブ英語圏ずっぽりの研究と同時にジャマイカ音楽、レゲエからダンスホール、ダブともうすごいです。著書には『レゲエ・トレイン』(青土社)、『シンコペーション - ラティーノ/カリビアンの文化実践』(エディマン)、そして『カリブ・ラテンアメリカ音の地図』(音楽之友社)にも書かれています。

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水口良樹さん はペルー音楽の研究家であり、大学の講師もされている文化人類学の先生でもあります。2003年から毎年の日本ペルー協会主催のペルー音楽の講演会のほか、色々な講座をもたれているのでご存じの方も多いかも。それに日本でも希有なペルーのクリオーヤ音楽バンド「ペーニャ・ハラナ」での音楽活動!もすばらしいです。

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木下尊惇さん はボリビア音楽の音楽家で30年近く前に単身ボリビアに渡り、ギタリスト・作曲家として活躍。現地でベストテンのトップを飾ったり、映画音楽を担当したりフォルクローレ音楽の教授として教えたりでボリビア大使館から勲章までもらわれたり。日本でもNHK BS-hiの音楽を担当されたりしてます。『ボリビアを知るための68章』(明石書店)の音楽の章を書かれています。

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細川周平さん は国際日本文化研究センターの教授で音楽研究、特に近代日本音楽史、日系ブラジル文化を専攻されています。著書には『サンバの国に演歌は流れる』(中公新書)、『シネマ屋、ブラジルを行く』(新潮選書)、『トロピカーリア』(音楽之友社)や『ユリイカ』への執筆などがあります。



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比嘉マルセーロさん はフェリス女学院大学の教授で社会学、文化人類学、特にアルゼンチンにおける日本人移民、都市文化研究をされています。著書には『南北アメリカの日系文化人』(人文書院)などがあります。


と、言った達人たちですが、音楽とその文化に触れたその文字の間からは、メロディーやリズムと皆さんの熱い音への愛が伝わってくると思います。
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by mofongo | 2010-03-25 01:12 | Musica
2010年 02月 05日
David Sanchez Quartet Jan.30, 2010 @ Cotton Club, Tokyo
彼を初めて聴いたのはプエルトリコでだった。"Sketches of Dreams"(1995)を出したばかりの頃。

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次はジォバニ・イダルゴ(Giovanni Hidalgo)とミシェル・カミーロ(Michel Camiloと)のライブ。

ジォバのソロ・アルバム"Hands of Rhythm"(1997)のリリース記念だった。高速トゥンバオ系の2名にも楽々対応していたのが印象的。









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終演後のホテルでの打ち上げに参加した時、初めて話をした。とても人当たりが柔らかく、ソニー・ロリンズの話をしたのを覚えている。

自分が学生の頃演った"St. Thomas"、"Antigua"と言ったカリブの島々の名前をタイトルにつけた曲と彼の自由なフレージングの話だった。







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それからサンファンで行なわれたFestival de Bomba。
故ラファエル・セペーダの息子のヘスース(Jesus Cepeda)やロベルト話していると、ふらっと現れたのがサンチェスだった。

彼の兄はボンバのグループでやっていたし、彼自身もサックスを始める前はトゥンバドールを目指していたくらいだから、ボンバは当たり前のもの。ヘスースの娘のダンスを一緒に見ながら色々教えてくれた。

◆◆◆

今月下旬発売のラティーナ誌に山本幸洋さんのインタビュー&ライブ・レポの記事が載るけど、サンチェスのディスコグラフィーを作るお手伝いをした。その時、棚から引っ張り出した彼の参加作を端から聴いてら、彼のライブを初めて聴いたときに頭に浮かんだ事を思い出した。


ラテン系なミュージシャンがパーカッション入りでジャズをやると、取り敢えず「ラテン・ジャズ」と括られる。

アフロ・キューバンからラテンジャズの系譜というのは大きくあるのだけれど、自分はその系譜の発展系だけでは物足りない感も強い。特にラテンのリズムの上にシンプルにジャズのハーモニーを乗せた、というような婚姻形態。

70年代のフュージョン以降、「ラテン・ジャズ」のレッテルと直接関係のない所でヒント(例えばウエザー・リポート)がたくさん出ている、一方でビル・フリゼールやパット・メセニー、ジョン・ゾーンのマサダの様に自己が属する場の音を再構築・提示するような音もある中で、ラテン出自のミュージシャンのアプローチも耳が欲していた。

従来型でもフォルクロリックでもメインストリームでもなく、でもラテンという「その場所にいた人しか出せない」リズム・ハーモニー・メロディーの自由度を感じさせてくれる音を聴きたいのだった。

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1998年の”Obsession”はサンチェスがラテンの曲を素材にしたアルバム。アイディアはレコード会社からのものだったとか。


簡単に「ラテン・ジャズ」になりそうな素材だし、そうするのに何の困難もなかったろうけど、彼の興味はそこになく、伝統とその自由度に対する強力なレスペクトを、フォームにとらわれず自然に湧き立たせたいという風に聴こえた。





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その後"Melaza" (2000)、"Travesia" (2001)を経て、コロンビア・レーベルでの最後の作品 "Coral"(2004)。
そしてコンコード・ピカンテに移籍して最新作の"Cultural Survival"(2008)まで4年の時間があった。

彼はその間、色々な音の中にいたのだけど、2005年のメセニーとのツアーは特に彼にとってとても大きかったんじゃないかと思う。





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メセニーとやっているドラマー、アントニオ・サンチェス(Antonio Sanchez)の "Migration"(2007)での、クリス・ポッターとの競演は強力だった。愛聴盤。そして翌年の"Cultural Survival"のリリース。これがまた素晴らしい。

コンポジションも面白く、変拍子や仕掛けのリズムと美しく刺激的なハーモニーの枠の中で、サンチェスはそれを気持ちよく縫いながら、自由に力強く流れるようなラインを紡ぎ出す。

そしてそれは表にははっきり見えるフォームではないが、リズムの捉え方、音色とアーテキュレーションの柔らかさ「ラテン」から出た彼でこその音になっていた。

ヘンリー・コール(プエルトリコ出身)やアダム・クルース(NY出身。親父はティンバレーロのレイ・クルース)と言ったラテンもジャズも分かるドラマーとの組み合わせはサンチェスがやりたい事をするのに絶対必要。"Cultural Survival"とはなんとも象徴的なタイトルなしのかもしれない。

こんな感じで来日を心待ちにしていた。
Cotton Clubでの最終日の2ndに飛び込む。

◆◆◆

メンバーは
ダビッド(デイヴィッド)・サンチェス (David Sanchez : sax)
ラゲ(ラージュ)・ルンド (Lage Lund : g)
リッキー(リカルド)・ロドリゲス (Ricky Rodriguez : b)
E.J. ストリックランド (E.J. Strickland : ds)

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ルンドはノルゥエー人で"Cultural Survival"でのユニットの中心の一人。マーカス・ストリックランド(Marcus Strickland : sax)のユニットで演ったりしてる。ナチュラルな音色で曲全体の流れの変化への対応が素晴らしいプレーヤー。

ロドリゲスはポンセ生まれのプエルトリカン。彼の名前を初めて見たのはエンデル・ドゥエニョ(Endel Dueño : Timb, ds) の"Energy"。




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ストリックランドはラビ・コルトレーンのオーケストラで来日もしていて双子の兄弟であるマーカス(Marcus Strickland)と共にユニットを組んでいたり、昨年ソロ・アルバム"In This Day"を出したり。

このあたりの人脈は重なっていて、ベーシストで言えば名手スコット・コーリー (Scott Colley)、 ハンス・グロウイッシュニク(Hans Glawishnig)、オルランド・ルフレミング (Orlando LeFleming)などの名前が行き来する。


1曲目は曲名わからず。新曲か?
演奏全体がCDとちょっとちがうイメージなのはストリックランド.のドラムのせい。ラビのバンドや彼のソロ・アルバムで感じられる通り、時にエルビンのような流れの切り分け方とアクセント、重みとダイナミクスがアントニオ・サンチェスやヘンリー・コールなんかと全然違う。しかし、それにあわせてサンチェスやルンドは大きくアプローチを変えるわけじゃない。

2曲目は"Coral"。ブラジルのHeitor Villa-Lobosの作品。マイナーのボサノバのスローな曲。ルンドのソロも素晴らしい。パーカッションもコンガもない編成だし、ルンドのグラデーションが次々に変わるハーモニーはまさに今のジャズのイデオムなのだけれど、サンチェスのメロディー/歌の中には何故かラテンやブラジルが感じられる。決してそれを意図しているとは思えないのだけれど。


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3曲目は"Cultural Survival"。5拍子のテーマにE.J.が大きな枠の流れに好きにアクセントをばら撒く。CDでのアダム・クルースよりストリックランドはスネアを強く使うのでかなりリズムが強く趣が異なる音。

サンチェスもそのポリリズミックなプレーの中を途切れぬメロディーで歌う。太い音色はブロウしてもぎらついたりザラついたりしない。相当頭と体を刺激され満足。

4曲目は"Pra Dizer Adeus"(To say Goodbye)。 ブラジルの作曲家Edu Loboの作品で2001年の"Travesia"に収められている。パット・メセニーとのツアーでも演奏された曲。
ほぼギター、ベースのトリオのように奏でられる曲は静寂の中、スロー・バラードというよりボレロとブラジルの湿度の感覚が漂い耳が音に引き込まれる。

そして5曲目はエディー・パルミエリの名曲アドラシオン"Adoracion"。サンチェスもルンドも素晴らしい。EJもたっぷり煽る。サンチェスは相当熱いプレーだが、ピアノではなくギターとの組み合わせは単純な予定調和の盛り上げなどにならない為に効果的かも。などと頭の隅によぎりながらサンチェスとルンドのメロディーを追っていた。
これが最後の曲だった。


そしてアンコールは静かで優しいメロディー。星空を見るような感じ。ルンドの変化するハーモニーにサンチェスの大きなメロディーが流れる。良い曲でした。


◆◆◆

終わって、メンバーと話した。
EJに今回の来日の事、ソロ・アルバムの事など聴いていたら、突然

EJ「な、今かかってる曲知ってる?」

ってニコニコし出した。女性ボーカルにトランペットがかぶる。「えっ?」と考えていると

EJ「ドラマーは誰だかわかる?エルビンだよ。この曲は何度も聴いたなあ」ってまたニコニコ。


ロドリゲスはすごいフレンドリーに受け答えてくれた。

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「で、ポンセーニョだよね」
「あ?なんで知ってんの?」
「島にまた住みたいよ。」
「おー、エルマーノ」(がしっ)

エンデルのエナジーで聴いたのが初めてなんだけど」
「あー?エンデルの?おい、ダビ!こいつエンデルのとか言ってるよ、わははは。あれはエリック・フィゲロアとかすごくてさ」

一気に盛り上がる。

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サンチェス「エンデルもすごいよね」
「覚えてないかもしれないけど、プエルトリコのジォバとカミーロのライブの楽屋で話したのが最初なんだよ。」
「あー?!ホテル・エル・サンファンだ!」
「あのころグアイナボに住んでてさ」
「えっ、オレ、グアイナボ出身!」

また盛り上がる。
今はアトランタに住んでいるとか。

ダニーロ・ペレスやルイス・ペルドモ、ミゲル・セノン、ヘンリー・コール、アダム・クルース、アントニオ・サンチェスなんかの話、そしてメセニーやパルミエリの話も。色々な共演者との経験が今の自分を作ってるって。

ほんと音楽が楽しそうだった。
良い夜。
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by mofongo | 2010-02-05 01:50 | Musica
2009年 11月 06日
Bomba Estereo/ボンバ・エステーレオ@UNIT, 代官山
去年くらいから「デジタル・クンビア」とラベルを貼られた一連の音があります。

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「テクノ・クンビア」の進化形か?とボケたこと言いながら音盤を何枚か買って聴いたらなかなかカッコ良い!(テクノ・クンビアとは全然別)

アルゼンチンやらコロンビアやら欧州やらのデジタル・クンビアの中で、やっぱ自分はコロンビアが良いなあ、と思っていたら、なんとBomba Estereoが来日するっちゅうじゃないですか。これは行って生で聴かねば!

6月に旅先で買ったラテン誌に彼らが"今、旬のアーティスト"として紹介されていたり、iTune LatinoのSong of the Weekになったり、マクドナルドのプロモに使われたりと気になっていたのだ。

→YouTubeで"Fuego"のPVを見る

→YouTubeで"La Boquilla"のvideoを見る。La Boquillaはカルタヘーナの海岸。コスタです。映像はそこの子供たち

◆◆◆
場所は代官山のUNIT Saloon. クラブ・イベント「BLOC DE L'ECHO 8」です。このUNITって初めて行ったけどラウンジ2つとライブ・フロアとが地下3層になってって面白い。
ボンバ・エステーレオのスタートまで、3ヶ所のDJ聴き比べ、ビールをしかたなくグビグビ飲んで&23時過ぎのスイスからのミニマル/アンビエンテ系のnik bartsch’s RONINのライブを楽しんだりして待つ。

しかし、ラテン好き系の人には会わなかったなあ。OさんとFさんくらいか。そこで知り合ったクラブ音楽好き(?) ガールズはコロンビアもクンビアも分からないけど良さそうだから来た、楽しみーって言ってた。さてライブに皆どう反応するのか?

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25時過ぎにステージに現れたのはシモン・メヒーア(b, programming)、キケ・エグローラ(ds)、フリアン・サラサール(g)の3名。

フリアンのギブソンSGとエフェクター群からエレクトロ、サイケっぽいノイズ音が広がる。シモンはサンプル・コントローラーのようなものも操作して、ハードというより細かなエッジのある混沌さを吐き出していく。そこへボーカルのリリアーナが登場。ビートが一瞬で爆発する。フロアは待ちかねたように反応。皆の期待の目がステージに注がれる。




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ベースの強いリズムとタイトなドラムの上にギターが霧をかけ、リリアーナのボーカルが発射される。歌とラップを繰り出す彼女の魅力はとてもキュートだが甘すぎず、センスアルだがエロチカでない不思議なバランスの声だ。高速なタテのりジャンプから中速なクンビア系、ブジェレンゲ系、チャンペータ系、レゲエ系まで次々につないで煽って来る彼らに、フロアはもっと弾けたいという圧力が充満。

「90年代のブリストル系が大好きで、いまはドイツのリズム&サウンドのようなエレクトロニックなダブに惹かれている」とインタビューで話していたシモン。







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たしかにそれらの音のイメージは強いが、クンビアのリズムのニュアンスはやはりベースに出る。いやただクンビアだけというより、コスタ・カリベ、コスタ・アトランティコの猥雑なニュアンスだ。ドラムも脇にタンボールを置き叩く。

そして何より、リリアーナのボーカル、というよりラップのスタイルやノリにコスタを強く感じる。それは今のラテンのオルタナティブには欠かせない強さ。各々の場所のある音に対するレスペクトによって自然に染み出してくる強さだ。ある曲で一瞬Calle 13のスタイルとも重なって聞こえたのはそのせいかも。

ライブはばっちり成功。「かっこよかったね」と話す回りの声がたくさん聞こえた。


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ステージの後、シモンとリリアーナと少し話した。シモンはボゴタっ子だが、リリアーナはサンタ・マルタの出身だった。なーるほど。サンタ・マルタはコロンビアの北部のカリブ沿岸の都市。港町のバランキージャのすぐ隣だ。クンビアそしてバジェナートの地元、バランキージャのカーニバルの地元なのだ。カルロス・ビベスもここの出身。

→YouTubeでカルロス・ビベスとの共演のさわりを見る。最後に"Que Viva Santa Marta"つって言ってるのが良いすね


彼らの音は全然フォルクロリックじゃない。コスタの音は彼らの音の表面積には見えないのだ。でも、伝統の音を楽しみレスペクトしていればどしても染み出るものだと思う。
それが、彼らが今創ってゆきたい音をより魅力的にして、広がっていく。

先日、あるラテン音楽ジャーナリストの方とキューバ音楽を楽しんだ。カルロス・エンバーレの声は素晴らしかったし(顔も)、パンチョ・アマットのトレスも泣けました。でも、お話する中で強く驚いた事あった。

「キューバ音楽はほんとうに歴史があって深いよね。NYのサルサは根っこがないからダメなんだ」

そうなのか?NYのサルサがお好きでない事は問題ないけど、根っこがないの?だいたい根っこのあるなしって良し悪しなのか?。

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一人ひとりの人間に根っこがない事なんてありえない、育って行く中で必ず何かが根っこになる。それと同じでどんな音楽にも根っこがある。根っこのない音楽なんてないだろう。
日本の音楽でない日本人のクラシック・ロック・ジャズ・ラテンは全部だめになっちゃうし、日本の音楽でない、自分の根っこでない音の事を書く日本人なんかもっとダメじゃん、と思いました。

で、なんの話かというと、
オルタナティブな音はボンバ・エステーレオの素直な今だし、地元の香りが染み出ることも彼らの個性。そんな根っこがうまくかっこよくかみ合って少しずつ新しい音ができてくんだろうなって事。

翌々日からアメリカ・西海岸のツアーだって。忙しいね。かっこいい音が受けるといいなあ。
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by mofongo | 2009-11-06 21:29 | Musica
2009年 09月 05日
赤木りえ with Willian Cepeda @Blues Alley 090831
赤木りえさん新譜『フルーツ・ジャム』の発売を記念してのコンサート・ツアー。
最後は東京に戻ってきて、目黒のブルース・アレーで。

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あいにく台風が夕方南関東をかすめるというタイミング、さーてどうしたもんかと思ったけど、ま、なんとかなるさと言ってみると席は満員。なーんだ、みんな台風なんか無視で赤木さんを聴きに来てるんだ。これなら安心。


当日のメンバーは赤木りえ(fl)、吉弘知鶴子(pf)、藤井摂(ds) 田中倫明(congas)イスラエル・セデーニョ・ジュニア(b)。アルバム・タイトルのフルーツ・ジャムは「果物のジャム/Fruits jam」ではなくて「フルートのジャム(セッション)/Flutes jam」。
ということでライブ盤です。さすがオヤジ系ダジャレを愛する赤木さんだけはあります。  

さて、席はど真ん中一番前というナマ音がびんびん来る好位置。



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さて、一曲目は"キャラバン"でスタート。ドラムの藤井さんのアレンジがかっこいい。タイトなスピード感と赤木さんの緩急のあるソロがモノトーンと多色を行き来する。”ラテン・ジャズ・フルート奏者”と紹介される事も多い赤木さんだけれども、そう括るのは狭い感じがするといつも思う。ラテンとジャズとソウル/R&Bと時に和のテイストまで行き来する実態を表していない。

アルバムの一曲目でもあるこの曲は、デューク・エリントンの作品。ジャズといってもバップ・イデオムをベースにしないエリントンの曲はビート感もティピカルなスイング・ビートにも囚われない黒っぽさというかこってり感が魅力。
加えて、このキャラバンはプエルトリカンで名トロンボーン奏者のファン・ティソールとの共作。ティソールだからこそ持ちこめた、モード的なラテン感も魅力だ。

ラテンからソウルまでのグルーブ感のあるビートが一貫するこのアルバムのオープニングに、そしてこのライブにふさわしいかも。



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二曲目、なつかしい"Mister Magic"。ゲストのウイリアム・セペーダ(tb, shell)とトランペットの寺内茂さんが加わる。
ウイリアム・セペーダは、プエルトリコのボンバを継承するファミリーの一つ、セペーダ一家の出身で、トロンボーン&コンク・シェル奏者、パーカッショニスト、作曲家、アレンジャーとNYとPRをベースに多彩な活躍をしている。99年にDLGと共に来日しているが今回は2回目か3回目?

イスラエルのベースがかっこいい。心地よいグルーブ感。山口、京都とツアー最後だけあってユニットの息はばっちり。

三曲目はウイリアムのボンバな曲。"Unete"というタイトルだったと記憶。ウイリアムはシェルを吹く。大小さまざまなホラ貝から多様な音が出て声のよう。即興の演奏の繊細な感覚の強弱・緩急がビビッドに音色やリズム割に出る。一番前の席の幸運に感謝。

途中でウイリアムは手元のコンガでシカ(ボンバのリズム・パターンの一つ。)のパターンを叩きだす。

ボンバはバリールというコンガより短く太い太鼓を使い、低音でのブレアドール、中音のスビドールで基本リズムをキープし、高音のプリモ(キント)で自在にアクセントを付ける。

言ってみれば、ウイリアムと藤井さんがブレアドールとスビドールで、田中さんがコンガでプリモなのだった。

足がむずむずする。もしブルース・アレーでなかったら、もしバルコン・デ・スンバドール(プエルトリコのライブ・ハウス)なら、我慢しきれずに絶対ボンバ、踊ってたなあ。

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田中さんのソロに入り、ウイリアムは途中で “Campo Yo vivo triste”とコーラスを即興で挟み込む。セペーダ一家の面目躍如。故ラファエル・セペーダ翁の“Campo Yo vivo triste”からの引用だ。テンポはどんどん速くなり、リズムは一挙にオランデ”Hollande”へなだれ込みフィニッシュ。ふう。。

赤木さんの低音での"ドス"というか腹筋を緊張させるような音がすごかったです、そしてそれが上へ離陸すると眩暈しそう。

そして次の曲は"ストーン・フラワー"。赤木さんのソロ爆発!ユニットの不思議な浮遊感の中でメロディーがどんどん湧き上がってくる。

ここで休憩。

りえ&ウイリアムス&フラワー・アーティストさんのパフォーマンスでスタートしたセカンド・セット。

りえさん、吉弘さんのDUOで "You've got a friend"。ジャームス・テーラーの名盤”Mud Slide Slim”中の永遠の名曲。盟友の二人が自由に言葉なしで話しているかのよう。吉弘さんのゴスペル・フィーリングたっぷりのピアノは常にポジティブな喜び。赤木さんは透明な強さ。

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そしてウイリアムのこれまた不思議な曲。シェルを使うスピリチュアルな曲。題名はSubitoだったような記憶。ウイリアムは司令塔となり、またシェルを吹きながらプレーヤーと順番に音の会話を楽しむ。

ああいうCDでは出来ないところでの瞬発的会話が生み出すものは時に、すごい面白いものを引っ張り出す。ジャズでもボンバでもルンバでも。赤木さんと藤井さん、すごかった。




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最後はラテンな"ソウル・ワヒーラ"。プエルトリカンのボーカル、 ウィリー・パガンさんも参加。ソネオで今晩のライブの楽しさを唄いこみ、これまた立ち上がってステップを踏みたいところ。赤木さんやウイリアムのソロもリズムをプッシュして来る。







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アンコールはグルービーな、ジェレミー・スタイグの"グース・バンプス/鳥肌"。イスラエルのぐいぐいひっぱるペースは藤井さん、田中さん、吉弘さんとうねりを生み出し、赤木さん以下、フロント・ラインのソロがたっぷり楽しめました。楽しい夜でした。
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by mofongo | 2009-09-05 12:56 | Musica