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2006年 09月 06日
"真夜中の決闘”結果:ドミンゴ・キニョーネス
先週末サンファンのアンフィテアトロで行われたDuelo Anochecer III "真夜中の決闘パートIII"

4年前の第2回はドミンゴ・キニョーネスとカノ・エストレメーラの戦いとなり、ドミンゴが見事に勝利した。いや、別にステージに審査員がいる訳でも賞品があるわけでもないのです。審査員は観客だけ。

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でも聴く耳を持った観客がどっと集まるこのイベント、拍手と野次、賞賛とブーイングで勝敗ははっきりするのです。多分、観客は今年もドミンゴの勝利を予想してたと思います。もちろん、ペドロ・ブルルもピッチーも達人だけどね。やはり前回のカノを打ち負かしたドミンゴの記憶が強い。

この目で、耳で楽しみたかったけどねえ、さずがに島にすぐ行くってわけにもいかず、友人から結果の連絡があるのを楽しみにしてたら記事が出ました。

Primera Hora紙予想外の結果が・・・ソネオの新チャンピオン誕生。ドミンゴ・キニョーネスにとってはソネオの王者のタイトルを失う残念な夜となった。タイトルは純粋に象徴的なものに過ぎないが、プエルトリコのサルサ・ファンにとっては大きな意味がある。金曜の夜、満員のアンフィテアトロ"ティト・プエンテ"に集まったサルサ・ファンが選んだのは・・・・・」

さて、新チャンピオンは誰でしょうか?

次にEl Nuevo Dia紙「金曜日、アンフィテアトロにあふれかえったサルサ・ファンはエディー・パルミエリが彼に"21世紀のソネーロ"とあだ名をつけたのが正しかった事を目の当たりにした。戦いに対する賞賛の嵐のによってオリベーラはソネオの新チャンピオンとして・・・」

そう、エルマン・オリベーラがドミンゴを打ち負かしたのでした。

しかし記事を読むとドミンゴは全然だめだったようで、やっぱりドラッグ問題はまだ尾を引いていて昔のドミンゴではないみたい・・・・。

◆◆◆


Primera Hora 「・・・オリベーラは島じゃ知られた歌い手じゃない。もちろんコンフント・リブレ、エディー・パルミエリ、スパニッシュ・ハーレム・オーケストラなどで活躍している。でもその活動はニューヨークがベースなのだ。 しかし、ドミンゴとの戦いでどちらが人々の琴線に触れたかは明らかだ。実際、エルマンが最初の曲を歌い終わった時は、観客は野次を飛ばしてたのだ「やめさせろ」
「かえれ、かえれ」
と。

「一曲目の"La Voz del Caribe"は島じゃあまり有名な曲じゃないせいもあって、そんな風に観客の反応は冷たいものだった。」

◆◆◆

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"La Voz del Caribe"はEddie Palmieri "Ritmo Caliente"に収録
→ちょっと試聴

「そして二曲目、定番の"Sonerito"で皆お待ちかねのドミンゴとのソネオ合戦が始まった。しか
しドミンゴの繰り出すソネオはなんと観客からブーイングを食らった。一方、オリベーラのソネオ
は素晴らしく、明快でオリジナリティーにあふれていた。」



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"Sonerito"はAsi de Compone un Son/Ismael Mirandaに収録
→ちょっと試聴

「そしてドミンゴは自分のもち歌の出だして大きな失点を犯した。メモを見ながらテーマを歌ったのだった。即興を競うイベントでメモ見ながら歌うなんて墓穴もいいところだ。その二曲はこれまた定番の"A Celia y Tito""Maestro de rumberos"だったのだ。ドミンゴはその失態をカバーすべくソネオや気合の入ったボンゴの演奏まで頑張った。

しかし、再びエルマンとのソネオ合戦の曲"Como lo canto yo"ではエルマンのソネオはばっちりはまっていて、力強く自然で観客は明らかに彼のソネオを支持したのだった。
ドミンゴのメモによる失点がなかったとしても、最初冷淡だった聴衆は完全にエルマンの支持に回ったのだった。」
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"A Celia y Tito"はThe Mambo King: His 100th Album/Tito Puenteに
→ちょっと試聴

El Nuevo Diaの記事も手厳しい。
「・・・・ドミンゴのステージは第二回目のイベントでカノを打ち負かした時と完全に違っていた。
ドミンゴは"Celia y Tito" と"Maestro de rumberos"でメモに頼って歌っただけでなく、支離滅裂で、ばらばらで舌がまわっていなかった

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Spanish Harlem Orchestra : Across 110th Street
→ちょっと試聴
一方、オリベーラはそのメロディーのセンス、機転、イマジネーション、ダンスにまでプロフェッショナルなステージだった。・・・口の悪い攻撃的なフレーズにさらされたときも、気品を失わず、そのライムでの正確なインスピレーション、明白さ、溢れるフィーリングで戦うことを選んだのだった・・・」

・・・・・ドミンゴ、こんななのかぁ・・・・

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しかし、エルマン・オリベーラは確かに素晴らしいソネーロなのだ。ロイサで聴いたパルミエリの"El Rumberos del Piano"のステージは、ウイッチー・カマチョとホスエ・ロサードとのフロントだったが、パルミエリのハードなタッチ一番対抗していたのはエルマンだった。

◆◆◆

さて、他の戦いはというとまずミゲル・ロドリゲスとフランキー・バスケス。ロドリゲスは"Plante bandela"でスタート。対するフランキー・バスケスは"El Sabio"そして"Dos Soneros"での勝負は2紙とも"Canito de Sabana Seca"ことロドリゲスに軍配を上げていた。これから注目!

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達人ペドロ・ブルル対ピッチー・ペレスはどうか?
ペドロは"Cuando se canta bonito"でスタート。ウイリーロサリオの名盤"The Salsa Machine"ですね。一方ピッチーは"Avisale a mi contrario"。こちらはティト・ロドリゲスの曲ですね。どちらもいいとこ選ぶなあ。プエルトリーコ!

そして決闘に選んだのは"Bravo de verdad"。Primera Hora紙の判定ではピッチー、El Nuevo Diaの判定ではペドロ、と良い勝負だった模様。

最後は6人全員で"El que se fue"
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エルマンはこれを機会にもっと注目されてもいいですね。それからミゲル・アンヘル・ロドリゲスも。

しかしドミンゴがぼろぼろだったとはねえ。ドミンゴ、"El que se fue"になんないでちゃんと復活してバリバリやって欲しい。
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by mofongo | 2006-09-06 01:22 | Musica/SALSA
2006年 09月 02日
東京 Jazz 2006前夜祭/Los Van Van Pick-ups
昨晩、東京Jazz 2006の丸ビル無料ライブに行ってきました。キューバのLos Van Vanからのピックアップ・メンバー6人のユニット。

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18:00開始との告知だったけどとても間に合わず、着いたら終わってた。でも19:30からもう1ステージありだって、ラッキー!

時間潰しにトイレに行ったらファン・フォルメルがいて手をあらってた。こちらが用を足して手を洗おうとすると、まだ鏡の前でじっくり髪型チェック&身だしなみを整え中。さすがラテン男。今年64才だけど色気タップリ。これですね。

トイレで話しかけるのもナンなので外で声をかけた。その日床屋に行ったとの事。だから念入りにチェックしてたのね。

◆◆◆


さて、ステージは サムエル・フォルメルのドラムを真ん中に、ステージは左からボリス・ルナ(ロベルト・カルロス・ロドリゲス“ククルチョ”の来日中止で急遽交代←クバニータさん、情報ありがとうございます!)のピアノ、 パベル・モリナのベース、フリオ・ノロニャのグィロ、マヌエル・ラバレラマヌエではなくて、カンタンテのロベルトンのコンガ、ホルヘ・レリエブレのフルートと並ぶ。ファン・フォルメル御大は観客席でリラックス。
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曲は全曲インストルメンタル。東京Jazzの前夜祭イベントだもんね。でもJazzだったのか、Latin Jazzだったのかというと・・ここが一筋縄ではいかず面白かった。

1曲目は"歓喜の歌"のようなメロの軽快な明るい曲。サムエルとラバレーラのソロ。場を掴む解りやすい盛り上げも含めかっこいい。

リズムはモリーナのベースとノローニャのグイロが一番下を常に支え、コンガがグルーブを作るから、ドラムは実に繊細に動く。各々のソロの盛り上げで、サムエルとロベルトンの二人はほとんど"寄り添わない"のが面白い。"変なインタープレー"はしないのだ。しかし、時々"パコッ"と絶妙のアクセントを入れる。いいわ。

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2曲目はミディアム・テンポのソンの香りのするナンバー。良い感じ。こういう曲でならインストであろうとソロに引き込まれようと体を動かして踊りたくなる。サムエルは左手のティンバレス中心に動く。フルートのリレエブレのダイナミクスがとてもカッコイイ。

3曲目。アッブテンポでコード進行はドミナント・モーションの定番。ルナのピアノのソロもまずはそれに沿ってスタートし、サムエルのソロも押え気味に始まったから、そんな風にジャズのリズムのイデオムで聴いて楽しんでた。

けど、体がルンバなグルーブを感じた途端、アフロ・クーバ・デ・マタンサスラモン・"サンディー"・ガルシアの強力なセンセーロのルンバ・クラーベが脳の奥で弾けた。

ステージじゃサムエルもロベルトンも誰もクラーベのパターンを叩いてる訳じゃない。でも、そこから発せられてるのは少なくとも、ばかみたいな感想だが表現だが英語系アフロ・アメリカンのリズムのフィーリングじゃない。ニューヨークのかつてのアフロ・キューバンでもない。西海岸のラテン・ジャズでもない。もちろんサルサではない。ルンバだ。ルンバのダンスが一番似合うグルーブだった。クーバ!

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4曲目はホールトーンを感じるちょっとクセのあるコード。ルナはこの土台で強力にアタックを開始する。でも、コードを"アウト"するようなアプローチは取らない。それよりもリズムと戦うようなイメージ。

この曲に限らないけどコンガ、ドラムスも一定のリズムの流れ、時間の流れを感じつつ、どこまでカッコ良くぶっこわすかって感じ。ベースは時にもっと遊んで欲しかった気もするけど、シンプルな動きに終始するのはソロでやりたいこととブチ当たらない為にはあれがいいんだろうなあ。

今日の本番には行けないけど、どんなステージを見せてくれたのか?
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by mofongo | 2006-09-02 18:28 | Musica