2011年 03月 25日
ラロ・ロドリゲスとラ・ビトローラ
ラロ・ロドリゲス・・・・。 捕まっちゃったらしい・・・。

各紙の伝えるところをまとめるとこんな感じか。

先週の日曜日夜、フロリダのオレンジ郡の警察に逮捕。ドメスティック・バイオレンスらしい。被害者の名前は明かされていないが奥さんらしい。罰金1,500ドルと今後被害者への接触の禁止を申し渡されたらしい。一旦は罰金を払わず州刑務所に拘留されたが今は釈放中。

昨年もラロはプエルトリコでのコンサートにも顔出して活動してました。

去年12月のムニョス・リベラ公園でのトニー・ベガとの二本立てとか。
もちろん中南米やアメリカ本土でのコンサート、パナマやコロンビア、欧州ではスペイン、オランダとか海外の仕事もこなしてた。
やはりサルサ・ファンからの支持は強い。

◆◆◆


若手もラロに対するレスペクトは強く、例えば最近のロック系の新しいグループLa Vitrolaなんかも名曲"Devorame otra vez"を取り上げている。

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話はそれるけどこのビトローラ、フランキー・ルイスの「La rueda」やラフィー・レアビの「Payaso」、エル・グラン・コンボの「Ojos chinos」とかロックの語法でやっててなかなか楽しい。「俺たちの中にはボリクアのCocolo(サルサ野郎)の血が流れている」とか頼もしい事言っている。

Ricky D?az (vo)、 Ernesto “Jungi” Padilla (ds)、Eric “Jey” Seda (b)、Daniel Rosa (g) 、 Jaime “Megui”Rivera (perc)の5人

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La Vitrola de Puerto Rico Somos Boricuas
→YouTubeでPVを見る

◆◆◆

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ラジオ局でも踊りのフロアでも"Maximo Chamorro"、"Devorame otra vez"、 "Tu no sabes querer"などなど今も定番。
DVとはほんと残念だけど、また声を聴かせてくれるだろうか。
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# by mofongo | 2011-03-25 12:47 | Musica
2011年 03月 18日
プエルトリコの友人の励まし
地震のニュースが世界に流れ、色々なところの友人から心配や励ましのメールをもらった。


プエルトリコからが一番多い。2年前トゥナ(Tuna)というスペイン伝統の形式のバンド(Estudiantinaとも言う)でやってきたTunamericaのメンバーも何人もいた。

2年前の来日

その内の1人、フェリックスが3枚の写真をFBに乗せてくれた。
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彼の庭に咲いたマグノリア(木蓮)の花の写真。

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木蓮は中国原産の木だが、海外では"Japanese Magnolia"として日本産のものと言われることも多い。

そしてれらの写真にはメッセージが付いていた。

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「最初の2枚の写真は日本で地震が起こった日にたまたま撮っていた。そして今日もう一枚撮ったんだ。

マグノリアが伸びる青い空は僕が2年前に良い友人たちと出会った国が早く元気になってくれる前奏曲だと信じている。」



そうしたら、同じTunamericaのギターのホセ・ダビが写真を見て詩を寄せてくれた。それもデシマ(韻を踏んだ10行詩)で。


"Cielo de Magnolio"(マグノリアの空)

Gris tristeza en el fondo veo
en un plano tridimensional
y se pierde en lo espacial
melancólico deseo.
Mas, al frente cual trofeo

el rosa y blanco se juntan
es sus ramas se despuntan
flores que abiertas al cielo
al triste gris dan consuelo
en ramas que a Dios apuntan.

上手く訳せないが、
多分ニュースで見た光景に
多くの命が失われた事に深い悲しみを覚え

そしてマグノリアのピンクと白の花が
空に向かって開かれたように咲く様子に
灰色の悲しみに安らぎを与える気持ちを
言葉にしたのだと思う。


デシマの詩はクアトロをバックにヒバロな音で歌うか
パンデレータを叩きプレーナで歌うかされる事が多い。

ホセ・ダビは"Tuno Panderetero"ってあだ名があるプレーナの好きなやつ。

パンデレータを叩きながらステップ踏んで歌うべきなのかもしれない。

それはプレーナ野郎らしい励ましなのかも。
ちょっとじわっとなった。
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# by mofongo | 2011-03-18 12:41 | Cosas/出来事
2011年 03月 12日
本日3/12(土)15:30- いーぐる講演やります。
本日3/12(土)15:30- いーぐる講演やります。

昨日の地震はすごかったですね。地震発生の時、ビルの22階にいた自分は、「今回はだめか」と思ったくらい揺れました。今までと違った感覚でした。そして今朝もTVの映像の前で呆然としています。東北地方の音楽仲間、友人、ご家族の方、心配です。

呆然とするしか出来ない自分ですが、前にお知らせした本日のいーぐる講演は行います。
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いーぐる連続講演 3月12日(土)15:30-「ジャズ史で学ぶ世界の不思議:第1回」
解説 mofongo × 村井康司
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■[いーぐる連続講演]第441回 
3月12日(土)3時30分より
場所:いーぐる (四谷です。→
地図はお店のサイトに
参加費は¥600(飲み物代別)。予約は不要です。講演時間は毎回2時間半ほどで、途中参加、退席はご自由です。

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宜しくお願いします。
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# by mofongo | 2011-03-12 11:26 | Musica
2011年 02月 28日
3/12(土)「ジャズ史で学ぶ世界の不思議:第1回」
村井康司さんが『JAZZ JAPAN』誌に連載中の同名記事に出てくる音源を、実際に聴いてみようという連続企画。第一回にゲストで呼んでもらいました。

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いーぐる連続講演 3月12日(土)「ジャズ史で学ぶ世界の不思議:第1回」
解説 mofongo × 村井康司 (詳細は最後に)
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村井康司さんは音楽評論家で編集者、そして俳人でバンド・リーダーでもあるという多才な方。

著書には『ジャズの明日へ』『ジャズ喫茶に花束を』(共に河出書房新社)。ジャズ関係の共著、監修では『200CD 21世紀へのジャズ』(立風書房)『ジャズ”名演”入門』『ジャズ”名曲”入門』(共に宝島社)ロックでは『20世紀のロック名盤300』・・・といっぱい。
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そして俳句・絵本でも『めくってびっくり俳句絵本』の5巻シリーズ」(岩崎書店。第57回産経児童出版文化賞のニッポ ン放送賞を受賞)など多数。

編集者のお仕事も山盛りですが、例えば佐藤泰志『海炭市叙景』(小学館文庫。昨年第23回東京国際映画祭にも出品されヒットした同名の映画の原作!)や菊池成孔『スペインの宇宙食』などなど。

「JAZZ JAPAN」「CDジャーナル」「ジャズ批評」「スイングジャーナル」などの執筆、CDライナーは数知れず。

という方です。

と書くとなんだかいかつい感じですが、至って穏やかな、しかし好奇心と音楽に対する広い目は比類なき方です。そしてよっぱらいも得意。



その村井さんが『JAZZ JAPAN』誌に「ジャズ史で学ぶ世界の不思議」という連載をスタートされているのですが、単純にジャズ史をニューオリンズからスタートしたり、アメリカ大陸の中の話だけするようなことはしない。

まず「カリブ海」から!

という事で、お声がかかりました。

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ニューオリンズでのジャズが誕生をその地のクレオールやコンゴ広場の話で紋切り型に片付けず、

・それより前、17-19世紀あの辺で富の中心で流行・音楽の先端地だったのは?

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・その頃聞えてた音は?アフリカからの音は?リズムは?欧州との関係は?
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・プエルトリコとキューバとニューオリンズとトリニダードとマルチニークを結ぶものは?
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などなど、歴史とカリブと北米のジャズとの関係、そして「ラテンの耳」「ジャズの耳」が分離してないような音をかけて見たいですね。(まだ村井さんと全然打ち合わせてないですが・・)


お時間がある方は遊びに来て下さい。いーぐるのJBLのスピーカーの音は素晴らしいですから。


■[いーぐる連続講演]第441回 
3月12日(土)3時30分より
場所:いーぐる (四谷です。→
地図はお店のサイトに
参加費は¥600(飲み物代別)。予約は不要です。講演時間は毎回2時間半ほどで、途中参加、退席はご自由です。
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# by mofongo | 2011-02-28 01:18 | Musica
2011年 01月 29日
旅日記 '11.1 捕獲CDから(1) モハメド・アブドゥ
ドバイ、レバノンで地元CDを捕獲。

旅先でのCD捕獲は、店のおっちゃんや兄ちゃんに教えてもらえるのが楽しい。
ネットの情報見てネットで買うのとやっぱりちがう。

*カタカナ表記は日本のネットや本、聞こえた通りの音で。アルファベットはCDになければネットのを。でも結局アラビックの発音からするとどれもピッタリでないのだ。

まずはネットでも日本語情報の限られる湾岸地域の音Khaleej(カレージ/ハレージ/ハリージ)

1.モハメド・アブドゥ(Mohammed Abdu)

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このかぶりもの(ゴドラ/ガットゥラ/グドラとアガール/イガール)と服(カンドーラ)だけで泣けます。まさに湾岸の男。但し、この服は薄茶色とちょっと湾岸っぽくないですが。

このサウジアラビア出身のおとっつあんは1949年生まれだからもう61才。でもまだまだ新譜を出し続けてる大御所です。アシール(Aser/Asseer/Asir)というサウジの南西地方の出身。
ペルシャ湾岸ではなく紅海側ですね。山脈が連なりかなり雨も降るという一般のサウジと違うイメージの場所。

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このアシール地方は相当古い歴史をもっています。で、もし聖書とか、ユダヤって何?とか思った事あって突っ込んで見た事のある人なら『聖書アラビア起源説 』(草思社/カマール サリービー 著, 広河隆一、 矢島三枝子訳)読んだ事あるかも。すごく面白い。

「古代イスラエルは今のパレスチナ地方じゃなくて、このアラビア半島のアシール地方にあった」って研究の本なのです。

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そんなアシール地方出で、3歳の時に孤児になって、でも苦労して高校まで出て郵便局に勤める傍ら、歌い曲を作って、ラジオ局に認められ・・・という苦労人のアブドゥとっつあんのすこしざらっとした声は魅力的。郵便局員で作曲そして・・・というと、ティテ・クレ・アロンソが浮かびますね。

なにせ、オーセンティックなアラブ・湾岸歌謡の大御所ですからサウンドはストリングス隊とダルブッカ(タブラ)などのお約束の音に、アラブ特有の1/4音(微小音程/中立音程)を使うマカームによるメロディーの歌が美しい。何歌ってるかはよくわからないけどメロに乗るとハマる。

途中からテンポが上がる曲でも、ストリングスと掛け合いが激しくなる曲でも、アブドゥとっつあんは、熱くなる事無く、落ち着いた「語り」のような歌いぶりがこれまた魅力です。

アラブと言っても湾岸とトルコとレバノンとエジプトとマグレブでは相当違うし、湾岸と一言で言ってもサウジ、オマーン、カタール、UAEと違いがある。

そんな所を、音を手掛かりにゆっくり紐解き、アラブの事、ユダヤの事、イスラエルの事、パレスチナの事、マグリブからアンダルースの事・・・をもっと知ってカリブの音の手掛かりも探し続けたいなあ。

(例えばエジプトの男の衣裳をガラベーラ(Galabera)っていうのけどそれって西語圏カリブのグァヤベージャ(Guayabera)とどっか関係あるのか?とかね)
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# by mofongo | 2011-01-29 01:07 | Musica
2011年 01月 29日
旅日記 '11.1 ベイルート
久しぶりのベイルート。タクシーでダウンタウンヘ。
好きなラジオをかけてもらう。

ロマンティックで正調アラブな男性の声。なかなかいいね。

モフォ「歌ってんの誰だろ?」
運「うーん、ちょっと待ってな、、ああ、カーズィム・アル・サーヒルだ」

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Kazem El Saher "Alrasm Bel Kalemat" (2009)

Kazem El saher - Hal Endaki Shak [English Subtitles]
YouTubeでカーズィム・アル・サーヒルを聴く

モ「カーズィム・・・って、たしかイラク人だっけ?」
運「ああ、イラクだよ。俺とおんなじイラク」


そっか。


戦火に見舞われる事の多かったレバノンやシリアの人たちは、昔からよく国外へ働きに出ていた。

60年代以降石油で潤うようになった湾岸諸国の建設を支えたのは、彼らだったとよく言われる。

欧州、アフリカや中南米にも昔からたくさん移民した。シャキーラもサルマ・ハエックもポーラ・アブドゥルも皆レバノンの血をひく。

エクアドルなんてブカラム元大統領、マワ元大統領とかレバノン系だし。


でも今は戦火を逃れた後、国外に残って働いているイラクの人たちがずっと増えた。

イラク・アンミーヤ(方言)が聞けるラジオはとても大切なものなのだと思う。



◆◆◆

ダウンタウンに近づくとビルが多くなる。古いアパートにベランダの外に日よけのカーテンがかかっているのをみるとなんだかほっとする。中近東の一角
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に来たなあというか。

ダウンタウンの真ん中には昔のグリーン・ラインが大通りとして今も健在。
東ベイルートと西ベイルートを分ける緩衝地帯だった。

ぷらぷら散策する。ここそこに銃をもった警官や兵隊が警戒をしている。


レバノンでは先週ヒズボラ系閣僚が一斉辞任して連立政権が崩壊したばかりだ。

現首相の父のハリリ元首相暗殺事件(05年)を審理にからんでイスラム教スンニ派のハリリ首相側に反発するシーア派組織ヒズボラ系の閣僚11人が一斉に辞任したのだ。

ヒズボラは元々対イスラエルで武力行動を行ってきたから、こじれるとまたレバノンに戦火がやってくる可能性がある懸念もある。

そんな緊張感をダウンタウンの日常に感じる。

やはり頭に流れるのはフェイルーズの「ベイルートよ(Li Beirut)」

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このアランフェス協奏曲のメロを聞くと、日本じゃまずイエペスのギターか、チック・コリアがジム・ホールってことなんだろうけど、こっちじゃそんなもんほとんど思いつかないのじゃないか。何といってもフェイルーズのこの曲だろう。

Fairouz- "Li Beirut"
YouTubeでFairuzを聴く

そして夜は、ここの友人と大宴会。地酒のアラックは何本もあけて大笑い。

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友「俺たちは4000年前のフェニキアの時代から、あっちから責められたり、こっちから侵攻されたり、キリスト教、イスラム教のシーア、スンニ、ユダヤ教・・といろんな宗教が共存する中で生きてきた。

だから現実的だし、同時に享楽的なんだよな。モフォさん、人生は一回きりだからさ」

モ「そだよね。享楽的と現実的がひっついてるのが真面目に生きてるってことかもねぇ」

友「がはは、ま、ややこしい事言わないでさ、そうそう、こんな話があるよ、アラブの富豪のじじいがさ・・・」

こうやって昨晩は更けていったのだった。
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# by mofongo | 2011-01-29 00:40 | Viaje/漫遊記
2010年 12月 23日
Viento de Agua /ビエント・デ・アグア - 熟れた果実- Fruta Madura
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ビエント・デ・アグアってグループ名を知ってる人は、カリブ系ラテン音楽を10年くらい聴いてるか、プエルトリコやNYの音に興味がある人だと思う。

1997年プレーナとボンバをベースにしたとても新鮮な音でデビューしたグループ。翌年に『De Puerto Rico al Mundo/プエルトリコから世界へ』っていうかっこいい盤をリリースした。
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◆◆◆

90年代はプエルトリコではプレーナ・リブレを筆頭に、若いプレーナのグループが続々と出てきた頃で、自分もずいぶんライブに遊びに行ったり、知り合いもできた。

プレーナ・リブレのリーダーのゲイリー・ニュネス、プレネアロのリーダーのイバン・リベーラ、セペーダ一家のモデスト・セペーダ、ヘスス・セペーダ、マリオ・セペーダジォバニ・イダルゴアンソニー・カリージョカチェーテ・マルドナード・・・・いろいろボンバの太鼓"バリール/Barril"や"クア/Cua"の事や、プレーナの楽器"パンデレータ/Pandereta"や"グィロ"の事を教えてもらった。

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(写真はカチェーテ・マルドナードとマハドーレスの仲間たち)


バリールには3種類あり、ブレアドール、スビドール、プリモと名前が付いている。

コンガが好きな人は、プエルトリコ系の奏者とキューバ系の奏者で音の好みに一定の傾向がある事に同意してくれるのでは。自分の感覚ではキューバは湿って/丸くて、プエルトリコは乾いて/とがっている気がする。それはこのボンバのバリールの音と無縁ではないとか思う。

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(写真はセペーダ一家)


プレーナのパンデレータにはセギドール、プンテアドール(又はセグンド)、レキントの3種類がある。レキントはソロを取るのでかっこいい。プレーナのパンデレータを"プレネーラ"と呼ぶ人がいるが、地元のミュージシャンはほぼ100%パンデレータと呼ぶ。LP、CDなどの音源や教則本などの表記も同様。

友人のプレーナ奏者たち(これはプレネーロ(Plenero)と呼ばれる)が説明してくれた話によれば、プレネーラというのは「プレーナの楽器」の意味だから、自分はパンデレータもグィロもいっしょになってしまうし、または音楽家は楽器のことはきちんと楽器の名前で呼ぶからパンデレータと呼ぶ、ということだった。

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(写真はプレネアロ)


加えて言えばパンデレータ奏者は時に自分の担当楽器は「パンデレータ」ではなく「レキント」だとか「セグンド」だとか具体的な名前を言って「パンデレータ」すら使わない場合もあるという、心意気も見せる。サックス奏者が「テナーやってます」「アルトです」というのに似てる。

一方、演奏しない普通の人や、たまのパーティーで使う程度の人はプレネーラと呼んだりもする。プレネーラはLP社のパンデレータのセット、又はそのコピーの中国製の簡単なパンデレータ・セットの商品名でもある。だからパッケージにそう書いてあるままに呼んでいるともいえる。「プレーナの楽器」程度の意味で使う人もいるので通じる。ただ「サルサ・ファンはまずパンデレータだ、グラン・コンボの名曲"Con Guiro y Pandereta"(グィロとパンデレータ)があるからね」、と説明してくれる親爺もいた。
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*ちなみに「パンデレッタ」というカタカナ表記も見るが、tの字はシングルなので促音ではなく、スペイン語発音とは異なる。アルファベット通りの発音だと「パンデレタ」ですね。カタカナ表記の場合、便宜上アクセント部(この場合は「レ」)を長母音的に伸ばす表記「-」を入れる事が近年は増えてきているので、自分は「パンデレータ」を使っている。ウイリー・コローン(ロにアクセント)とか。
◆◆◆

さて、楽器の事はこのくらいにして、当時日本でそんなことを嗅ぎつけていた東琢磨さんからの依頼で『ラティーナ』誌や『アンボス・ムンドス』誌にボンバとプレーナの記事を書いたりした。

その中で一押しだったのがこのビエント・デ・アグア

その彼らが13年ぶりに新譜をリリース。これが良いのです。

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プレーナのパーカッシブな面が十分に出ていると同時に、ジャージーなアレンジが曲に変化をつけてかっこいい。ティト・マトスの歌も力強い。

また曲のテーマもプエルトリコの現状に対するプロテストから、アフロ・ルーツの事、愛、偉大なプレーナ奏者へのオマージュ・・とバラエティーに富んでいる。
日本盤もリリースあり。買うなら歌詞の訳が付いている日本盤がおすすめ。

→発売元:メタ・カンパニーへ

→YouTubeでPVを見る

1枚目をリリースした後の彼らの活動は、2004年に"ビエント・デ・アグア・アンプラグド"という管楽器などが入らないアーセンティックなユニットでCDをリリース。

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また、エディー・パルミエリの初のプレーナの作品に参加したり、リッキー・マーチンの『MTV Unplugged』への参加、またジャズではダビッド・サンチェス、ウイリアム・セペーダ、ミゲル・セノーンなどの作品にひっぱりだこだった訳です。

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と言うことで、リーダーのティト・マトスにインタビューした記事を『ラティーナ』誌の1月号(12/20発売)に載せて頂きました。
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『プエルトリコの文化と伝統を伝える ビエント・デ・アグア』という記事です。
4ページ・カラーで関係CDの紹介もしています。ティト・マトスは、こちらの細かい質問にも丁寧に答えてくれたので、この作品を楽しむのに役立つと思います。興味のある方はぜひ。
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# by mofongo | 2010-12-23 15:55 | Musica
2010年 12月 02日
ホベルタ・サー&ペドロ・ルイス@リキッドルーム 2010.11.30
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ペドロ・ルイスは友達のTatzに教えてもらったのが最初。彼はMocidade Vagabunda (モシダーヂ・ヴァガブンダ=グダグダな青春)っていうグループの一員。このグループ、とってもかっこいいサンバを中心とした音楽をやるのだ。CDも出している。(MVの事はまた別の機会に)

→Mocidade Vagabundaのサイトへ

ペドロ・ルイスと彼のグループParede(パレーヂ)からホベルタ・サーを聴くようになった。

ブラジル音楽に初めてやられた頃、アルシオーネの『Alerta Geral』やベッチ・カルバーリョの『Mundo Melhor』とかあったせいか、女性の歌に弱い。ホベルタを初めて聴いた時も、無意識に彼女らと重ねてみたりだったのだけど、そのうまさと声ざわりでファンになった。

今まだ29才、初々しささえ残る歌は今しか聴けない。そしてこれから先彼女がどう変わってゆくのか聴いて行きたい、とか思いつつリキッドルームに向かった。

◆◆◆

19:30を回ってフロアはステージが始まる期待感で一杯。DJは中原仁さん。

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一曲目は広がりのある穏やかなデュエットでスタート。ペドロ・ルイスのアルバムの曲だ。なんだっけ。

2曲目から4曲目は彼女の1枚目『Braseiro』から。3-4曲目のリズムのフィーリングにうっとり。特にドリヴァル・カイミの4曲目はとてもよかった。

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ロベルタの声はとても安定していて、細かいニュアンスをしっかり歌い込む。声を「押す」ところ、「投げる」ところ、「切る」ところが普通に話しているように瞬時に選ばれ、揺らぐことなく声になっている。

そして何と言ってもリズム感。そこが一番ノックアウトされたところ。これがバイーア/ノルデスチの感覚?引き込まれるノリ。

音もリズムも外れないって、当たり前に音程や拍に乗っかってるって事ではない。歌を彼女のやり方でドライブ/グルーブさせる為の、動かせない一点一点の場所に感情と声を置くことが出来るってこと。

歌詞を予習していった曲は、言葉が彼女の体を通して歌となり、こちらの体に入ってくるのがより強く感じられる。

それがキュートな笑顔やしぐさと組み合わさるのだからやられたー。

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ペドロ・ルイスはロベルタをメインに出しながら何曲かでリードを取り、ギター、カヴァキーニョ、小物のパーカッション、コーラス。ホベルタを支えるのが楽しそう。

バックも素晴らしかった。ホドリゴ・カンペーロ。ギターを弾きつつ、PCをコントロール。音色のカラフルさと時に「ロック魂」を感じるアタックがとても良かった。
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そしてドラムのエルシオ・カファロ。大きなタイム感がタイト。そしてドラム臭くなくて素晴らしい。 この2人が作る時にすきまのある音が、ホベルタの歌と絶妙のバランスだった。



「Menina Bonita」、「Fogo e Gasolina」・・そしてロックやレゲエ/スカ/ラップと言った今の”標準装備”の音の色がブラジルの色と混じり合うグラデーションはとても面白い。

アンコールはアドリアーナ・カルカニョットも歌っていた「Mao e Luva」だった。うれしい。ペドロの作品。
そして宮沢和史が『Afrosick』でペドロと共作した「Brasileiro em Toquio」。フロアはウエイブ。

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アンコール2曲やってくれてもやっぱり収まらない。拍手が続き4人が戻ってきて最後にサンバ。男3名がリズムを繰り出しホベルタがリズムに乗って歌い舞う。とても小さな編成から強固で濃密な時間が作り出される場にいるのはとても幸せだった。

@Liquidroom, Ebisu, 2010.11.30

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来日特設サイト(http://www.latina.co.jp/robertaepedro/top.html)
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# by mofongo | 2010-12-02 01:28 | Musica
2010年 10月 30日
Chico and the Gypsies@ヤマハ・ホール
10/31から 11/3までBluenoteで公演のチコ&ザ・ジプシーズ/Chico & the Gypsiesが銀座国際ジャズ・フェスに出演。

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チコはジプシー・キングスの黄金時代のメンバー。分かっちゃいるステージなんだけど、やっぱり歌の力はひたすら強力だった。

メンバーはチコ/Chico (g,vo)、マノーロ Manolo(g, vo)、ケマKema(g)、ペピーノPepino(g, vo)、ババートBabato(g, vo)、タンネTané(g, vo)、ムーナンMounin(g, vo)、ジョルジュGeorge(b)、アンディAndi(per)の9人。

フロントに7人の濃い男が並ぶわけです。ずらっとギター持って。チコは白シャツ、後は皆黒。

このオトコたちが思い切り歌い切り、ギターのケマはパリパリ弾きまくる。濃度が非常に高いレチョンの脂というか。

特に曲の途中でフロント7人がステージの一番前に一歩出たときは相当の、圧迫感があって最高でした。
中でもマノロ(Manolo Gimenes)は顔の大きさと言い、腹といい、そしてジプシー声といい素晴らしい。

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特にベサメムーチョのコッテリ感はジプシー歌謡やスペイン歌謡やフラメンコがいかにアラブの音と共通のものを持っているか、体ではっきり理解するのにぴったり。

"ホテル・カルフォルニア"や"イストリア・デ・ウン・アモール"とか聴きやすいもの、哀愁たっぷりな濃いーもの、"ジョビ・ジョバ"、"バンボレオ"、"アレグリア"、"ボラレ"とお約束のヒット・メドレーと、分かっちゃいる流れだけど楽しい。
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アンコールは"マイ・ウエー"。これが3人のボーカルで回すのだけど、どれもコッテリ感の個性が違って、また脂が。

コテコテに弱い自分は、半ば笑いっぱなしで、気合いのはいった「ジプシーこぶし」の歌では同じように腕を振り、腹筋に力を入れてた為、終わった後疲労度はかなり高かった。


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銀座ジャズは銀座のお店の会である、全銀座会、銀座通連合会、Ginza International Luxury Committee (GILC/銀座国際ブランド委員会)というところが主催なのだけれど、このうちGILCはブルガリやらバーバリーやらカルティエやらシャネルやらヴィトンやらアルマーニやらのブランド企業の集合体。そのせいか、ヤマハ・ホールでは開演前にロビーで無料にてオフィシャル・カクテルがふるまわれ、ちょっとセレブ。

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タダ酒ですから当然ぐびぐび行かせて頂きました。こりゃおいしいわ。大変素晴らしかったです。
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# by mofongo | 2010-10-30 23:27 | Musica
2010年 10月 22日
Michel Camilo Big Band @ Blue Note 10.10.21 2nd
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今回のお目当ては管。トランペット隊、トロンボーン隊、サックス部隊、各々贅沢な布陣。

去年のリリースのアルバム"Caribe"を聴いたとき、このオーケストラの楽しみは、カミーロ+リズム隊のユニットの拡張型だと思った。

ハモのカラフルさとか、各セクションの絡みが聴きどころのアレンジとかを真ん中に据えたフルバン・サウンドじゃなく、あくまでカミーロが疾走する枠組みの色数を増やした感じというか。

しかし言うは易し。カミーロのソロを燃やすスピードとパーカッシブなリズムのフレーズにお付き合いできる管というのは大変な事。きっちり吹けるだけじゃなく湿ったラテンの感覚がないと昔のボブ・ミンツアーのビッグバンドのラテンみたいにちょっと物足りなくなる可能性あり(今回のメンバーのマイケル・モスマンとデイブ・テイラーはいたけど)。

だから、その管のアンサンブルをナマで聴いてみたかった。

そして2つ目のお目当てはアンソニー・ジャクソン。


さて客席はビッグ・ファットの時に比べて学生フルバン系のグループが少なく感じたけど、日によるのか、それともカミーロ・ファン中心だからか。

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アキノ(perc)とデュオを経て1曲目"Just Kidding"、来た!
クリス・ハンターのソロがかっこいい。管のアンサンブルの切れはきっちりで快感。

2曲目"Santan"。楽しいテーマ。管の聴かせどころはあまりなし。アキーノの鳥笛とかの効果音が面白い。英語圏カリブにいる気分。

3曲目"Not Yet"。ソロはハーウィグ。ブレイク入りのアンサンブルの合わせが一つの楽しみどころ。ストレートな曲。気持ちいい。

4曲目"Dreamlight"
ハーウィグのソロがやわらかい音で高音域で、ちょっとウイリアム・セペーダやスティーブ・トゥーレのシェルっぽくて面白い。ハンター気合い入ってる。

5曲目 ライブのテーマ"Caribe"
この曲のメロディーはいつもプエルトリコのプレーナの曲を思い起こさせる。
メロもコード進行もいたってシンプルだから、リズムやソロがどう料理するかが楽しみどころ。

まずトランペット隊のソロ回し、ウォルシュ結構好き。ソロフ爺、聴くだけで嬉しい。モスマン、バリバリ。ダービー、そしてフランチェスチーニ、バージェロンのソロが弾ける。

アンサンブルは余裕で合ってる。カミーロ先生も見せ場を作る。

そしてアンコールは "One more once"
バリサクのスマリアンのソロ。今までのアンサンブル・パートからの解放のエネルギー爆発。ブリブリ言ってかっこいいわー。ソロ回しはここぞとばかり皆聴かせてくれる。。

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アンソニー・ジャクソンはビートをとても細かく、それも弾力を持って切ってくるのでベース弾きはつい体がもっていかれる。同時に耳がカミーロのフレーズやドラムとコンガの関係を聴きに回る。管のアンサンブルとなれば全部に乗って聴いて行く。と忙しい。

だからつい緊張感強い聴き方になってしまうのだけど、それはビッグ・バンド編成であろうとなかろうといつものカミーロの楽しみ。
こんな疾走する緊張と解決の快感の上に管の達人たちは軽くフルバンの音の楽しみを加えていた。

Michel Camilo/ミシェル・カミロ(p)
Anthony Jackson/アンソニー・ジャクソン(b)
Cliff Almond/クリフ・アーモンド(ds)
Guarionex Aquino/ワリオネクス・アキーノ(per)

John Walsh/ジョン・ウォルシュ(tp)
Lew Soloff/ルー・ソロフ(tp)
Michael Philip Mossman/マイケル・フィリップ・モスマン(tp)
Tanya Darby/ターニャ・ダービー(tp)

Art Baron/アート・バロン(tb)
Dave Bargeron/デイヴ・バージェロン(tb)
Conrad Herwig/コンラッド・ハーウィグ(tb)
Dave Taylor/デイヴ・テイラー(tb)

Bob Franceschini/ボブ・フランチェスチーニ(sax,fl)
Antonio Hart/アントニオ・ハート(sax,fl)
Chris Hunter/クリス・ハンター(sax)
Ralph Bowen/ラルフ・ボーウェン(sax,fl)
Gary Smulyan/ゲイリー・スマリアン(sax)
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# by mofongo | 2010-10-22 23:13 | Musica